研究課題/領域番号 |
22K09070
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
渡辺 知幸 広島大学, 病院(医), 研究員 (10897911)
|
研究分担者 |
三好 寛二 広島大学, 病院(医), 講師 (50645364)
堤 保夫 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (90523499)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 悪性高熱症 / ジヒドロピリジン受容体 / ノックインマウス / 吸入麻酔薬 / 遺伝子変異 / リアノジン受容体 / 原因遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性高熱症の原因の一つとして、リアノジン受容体の遺伝子変異が指摘されてきた。近年、リアノジン受容体以外の遺伝子が悪性高熱症の原因となっている可能性が指摘されている。 現在標準的に行われている悪性高熱症の機能解析の方法では、リアノジン受容体の遺伝子変異の機能解析は可能であるが、その他の遺伝子の機能解析を行なうことはできない。本研究では、リアノジン受容体以外から発見された遺伝子変異が悪性高熱症の原因であるか否かを確認するための、ノックインマウスを用いた機能解析実験系を確立する。
|
研究実績の概要 |
悪性高熱症の原因の一つとして、リアノジン受容体の遺伝子変異が指摘されてきた。近年、リアノジン受容体以外の遺伝子が悪性高熱症の原因となっている可能性が指摘されている。 悪性高熱症に関連した研究はリアノジン受容体の遺伝子変異の検索を中心に行われてきた。また、ジヒドロピリジン受容体による遺伝子変異が原因の患者もわずかながらではあるが存在している。しかしながら、その頻度の低さからジヒドロピリジン受容体変異における研究は、あまり進んではいない。ジヒドロピリジン受容体に関しては、未だ不明な点が多いことからも、この変異がもたらす影響について調べている。 ジヒドロピリジン受容体の遺伝子変異ノックインマウスを作成することに成功したので、2023年度は、そのマウスを使用して悪性高熱症の発症実験を行った。 具体的には、マウスを静脈麻酔薬で麻酔後、人工呼吸を行った。体温、血行動態を測定しながら、吸入麻酔薬を加えた。ジヒドロピリジン受容体の遺伝子変異ノックインマウスおよび遺伝子変異の入っていないマウスの体温変化などを測定、比較検討した。 しかしながら両群のマウスともに高体温にならず、悪性高熱症は発症しなかった。そのため、吸入麻酔薬の投与期間、投与濃度などを変え実験を続けている。また、使用したジヒドロピリジン受容体の遺伝子変異ノックインマウスが、ヘテロ接合体のノックインマウスであることから、これらを組み合わせてホモ接合体のノックインマウスを作成することで、悪性高熱症が発症する可能性があると考え、現在、ホモ接合体のノックインマウスを作成中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
作製したジヒドロピリジン受容体の変異遺伝子ノックインマウスを使用し吸入麻酔薬を使用した、悪性高熱症発症実験において悪性高熱症が発症しなかったため、試行錯誤している。そのために悪性高熱症を発症するマウスの筋芽細胞を使用した細胞内カルシウム動態を測定する実験に移行することができていない。
|
今後の研究の推進方策 |
ジヒドロピリジン受容体の遺伝子変異を組み込んだ、ホモ接合体のノックインマウスを使用して、吸入麻酔薬による悪性高熱症発症実験を行う。 悪性高熱症を発症したマウスの筋芽細胞を利用して、細胞培養を行った後、刺激薬に対する細胞内カルシウム濃度の変化を比較することで、ジヒドロピリジン受容体の特定の遺伝子変異が悪性高熱症の原因となりうるかを明らかにする。
|