研究課題/領域番号 |
22K09110
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 秋田県立循環器・脳脊髄センター(研究所) |
研究代表者 |
武藤 達士 秋田県立循環器・脳脊髄センター(研究所), 脳卒中治療学研究部, 研究部長 (80462472)
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研究分担者 |
栃内 亮太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (90833997)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | くも膜下出血 / 神経原性肺水 / グリコカリックス / 神経原性肺水腫 |
研究開始時の研究の概要 |
神経原性肺水腫(neurogenic pulmonary edema: NPE)は、重症くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage: SAH)の急性期における致死率の高い全身合併症である。近年、肺を含む全身臓器の血管透過性亢進の発症機序を「多機能膜であるグリコカリックス(Glycocalyx: GCX)の障害」から説明するモデルが提唱されている。本研究では、SAHの急性期に発症しうるNPEの発症における血管内皮のGCX層の動態に着目しモデル動物を用いて1.CGX障害の発症機構、2.増悪に関与しうる臓器連関ならびに加齢性変化の影響、3.CGX保護/修復治療を最新の生体イメージングや電子顕微鏡による微細構造解析を用いて解明することにある。
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研究実績の概要 |
神経原性肺水腫(neurogenic pulmonary edema: NPE)は、重症くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage: SAH)の急性期における致死率の高い全身合併症である。近年、肺を含む全身臓器の血管透過性亢進の発症機序を「多機能膜であるグリコカリックス(Glycocalyx: GCX)の障害」から説明するモデルが提唱されている。 本研究の目的は、SAHの急性期に発症しうるNPEの発症における血管内皮のGCX層の動態に着目し、モデル動物を用いて1.CGX障害の発症機構、2.増悪に関与しうる臓器連関ならびに加齢性変化の影響、3.CGX保護/修復治療を最新の生体イメージングや電子顕微鏡による微細構造解析を用いて解明することにある。最終的に、これまで全身管理に難渋することの多かった致死的病態である、SAH患者の肺合併症の軽減と予後改善に向けた有効な神経集中治療法の確立を目標としている。 これまでSAHの動物実験の殆どは、若齢ラットもしくはマウスを用いており、加齢までを加味した病態の実現には至っていない。本研究では、申請者の所属施設(加齢医学研究所)で飼育している自然加齢マウス(18-24ヶ月齢)もしくは老化促進マウス(Senescence-Accelerated Mouse: SAM)を使用する。これらは脳卒中の全身合併症についての研究における有益な病態モデルであり、ヒトのSAHの発症年齢に沿った臨床像により近い研究が展開可能である独自性を併せ持つ。 研究開始次年度として、予定していたヒトのSAHの好発年齢に相当する老化マウスを用い、SAH後の摘出肺におけるCGXの3次元走査型電子顕微鏡での可視化を構築するための実験を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
老化マウスの供給状況に応じた実験計画を設定する必要があったが、研究協力施設との連携も良好であったこともあり概ね順調に遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
実験による検体採取を重ねつつ、特にGCXの代表的なコアプロテインの一つであるSyndecan-1に着目し、NPEにおける発現を分析することで、GCXの破壊度や心抑制に続発した病態(hydrostatic PE)との鑑別や重症度を示すマーカーとしての有用性を検討していく予定である。
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