研究課題/領域番号 |
22K09119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西山 将広 神戸大学, 医学研究科, 客員准教授 (50741667)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 急性脳症 / 熱性けいれん / てんかん重積状態 / バイオマーカー / 脳波 / サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
急性脳症は感染を契機に発症する中枢神経系の機能不全であり、致死率6%、後遺症率36%の重篤な疾患である。代謝異常・炎症・興奮毒性が3つの主な病態として提唱されてきたが、その根拠となる研究が不十分であり、各病態の相互関係も不明である。急性脳症の臨床像は発症からの数日間で劇的に変化するため、病態解明のためには経時的変化を解析することが必要である。本研究では、臨床経過を分単位で記録したデータベースと照合可能な患者試料を活用して、連続脳波モニタリングデータの解析とプロテオミクスを組み合わせることで急性脳症の病態解明を目指す。
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研究実績の概要 |
今年度は、発症からの臨床経過を分単位で記録したデータベースをもとにCOVID-19に関連した急性脳症および熱性けいれんの臨床像を明らかにした。さらに、データベースと照合した患者試料(血清、髄液、脳波)を用いて、急性脳症および熱性けいれんにおけるバイオマーカー測定を行った。今年度の補助金は、上記のバイオマーカー測定の試薬費や実験器具の購入費に充てられた。 SARS-CoV-2とSARS-CoV-2以外のウイルスによる急性脳症および熱性けいれんの神経症状および管理方法の違いを明らかにした。熱性発作を主訴として入院した症例を対象として、SARS-CoV-2に関連した熱性発作(COVID-19群、N=20)とSARS-CoV-2以外のウイルスによる熱性発作(non-COVID-19群、N=85)を比較し、以下の知見を得た。1)COVID-19群は、non-COVID-19群より年齢が高かった。2)神経症状や神経学的後遺症の頻度は、COVID-19群とnon-COVID-19群で同等であった。3)脳波のモニタリングはCOVID-19群での施行頻度が低かった。COVID-19群では、意識障害が遷延したにも関わらず脳波モニタリングを行われていない症例が多く、感染対策の影響が示唆された。 データベースと照合した患者試料(血清、髄液、脳波)を用いて、急性脳症および熱性けいれんにおける、臨床像と脳波および血液中のタンパク動態の関連について測定しデータを集積しているところである。 上記のように、臨床データと照合した症例蓄積と検体の回収システムが確立するとともに、COVID-19に関連した熱性けいれんおよび急性脳症の特徴についての新たな知見が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画で予定していたように症例蓄積と検体回収が順調にすすみ、臨床データと検体情報を照合する系が順調に動いている。さらに、血清、髄液、脳波を用いた測定も行うことができ、いくつかの重要な知見も得られたため、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も新たな症例蓄積と検体の回収を継続的に行い、症例数を増やしていくとともに、患者試料(血清、髄液、脳波)を用いた解析を継続していく。
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