研究課題/領域番号 |
22K09122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
小坂 麻里子 大分大学, 医学部, 助教 (50838943)
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研究分担者 |
小山 淑正 大分大学, 医学部, 講師 (40468012)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 麻酔 / 認知機能 / 敗血症 |
研究開始時の研究の概要 |
集中治療後の長期にわたる認知機能障害の問題が認識されており、その予後の改善は重要な課題である。認知機能障害の原因として、集中治療領域で頻繁に使用されるベンゾジアゼピン系麻酔薬がその一つとされている。しかし、申請者らは新しいベンゾジアゼピン系麻酔薬であるレミマゾラムを通じて、ベンゾジアゼピン系麻酔薬が直接認知機能を障害するのではなく、認知機能障害を予防し得る新たな機序が存在すると着想した。 本研究では未だ解明されていない、ベンゾジアゼピン系麻酔薬が認知機能に与える作用機序を解明し、重症患者の認知機能障害の改善につなげることを目標とする。
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研究実績の概要 |
集中治療後の長期にわたる認知機能障害の問題が認識されており、その予後の改善は重要な課題である。認知機能障害の原因として、集中治療領域で頻繁に使用されるベンゾジアゼピン系麻酔薬がその一つとされている。しかし、申請者らは先行実験で、一般的に使用されるベンゾジアゼピン系麻酔薬のミダゾラムでは認知機能と密接に関係し体内リズムを司るPer2リズムの乱れが誘導されるが、新規ベンゾジアゼピン系麻酔薬であるレミマゾラムはPer2リズムが維持されることを見出した。この新しい知見から、ベンゾジアゼピン系麻酔薬が直接認知機能を障害するのではなく、認知機能障害を予防し得る新たな機序が存在すると着想した。本研究では、マウス敗血症モデルを用いて、未だ解明されていない、ベンゾジアゼピン系麻酔薬が認知機能に与える作用機序を解明し、重症患者の認知機能障害の改善につなげることを目標である。 まず、麻酔薬が行動リズムに及ぼす変化を検討した。レミマゾラム投与群はミダゾラム投与群、プロポフォール投与群と比較して行動抑制期間の短縮を認めた。内因性の行動リズム解析では行動周期や位相への影響を認め、さらなる解析を進めている。 今後、各種麻酔薬が認知機能に及ぼす経路の違い解明するため、海馬組織中の転写因子、mRNA発現の解析を行う。さらに、敗血症モデルを作成し、敗血症病態における各種麻酔薬が認知機能に及ぼす影響を検討することで、より集中治療の現場に即した状態で各種麻酔薬の影響を評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
麻酔薬が行動リズムに及ぼす変化を検討した。ミダゾラム投与群では行動抑制期間の短縮、活動強度の抑制を認めたが、レミマゾラム投与群ではそれらの変化はミダゾラム投与群と比較して有意に少なく、行動リズムに及ぼす影響は少なかった。 海馬組織中の認知機能を調整するBDNFの発現はミダゾラム投与群ではレミマゾラム投与群と比較して有意に低下していた。 今後、実臨床に則した敗血症モデルを用いて、レミマゾラムを投与したときの概日リズム、認知機能に及ぼす影響影響を検討してく。
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今後の研究の推進方策 |
各種麻酔薬投与後の行動リズム、特に内因性行動リズムに及ぼす影響の解析作業を進める。さらに、敗血症モデルにおける各種麻酔薬投与後の行動リズム・海馬の遺伝子変化の解析作業に進む予定である。
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