研究課題/領域番号 |
22K09133
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
笠松 純 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (60567345)
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研究分担者 |
佐藤 光 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20832124)
児玉 栄一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (50271151)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Plet-1 / ARDS / SARS-CoV-2 / 肺胞マクロファージ / GM-CSF / 炎症性サイトカイン / 免疫抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、3種類の炎症性サイトカイン(TNF-α/ IFN-γ/ IL-6)の過剰産生に起因し死亡率も30~40%と高い。申請者はPlacenta-expressed transcript 1(Plet-1)がそれら炎症性サイトカイン産生を抑制することを見出した。本研究ではPlet-1の免疫抑制メカニズムを解明するとともに、Plet-1を革新的な免疫抑制剤としてARDS治療へ応用する。
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研究実績の概要 |
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)はサイトカインストームと血管透過性亢進を特徴とし、有効な治療法が少なく死亡率も30~40%と高い。新型コロナウイルス感染症のARDSは炎症性サイトカイン(TNF-α/ IFN-γ/ IL-6)の過剰産生に起因する。申請者はPlacenta-expressed transcript 1(Plet-1)がそれら炎症性サイトカイン産生を抑制することを見出した。本研究では、ヒト培養細胞を用いた新型コロナウイルス感染実験や、申請者らが独自に開発したマウスARDSモデルを用いて、Plet-1の免疫抑制メカニズムを解明するとともに、Plet-1をARDS治療への効用を試みる。本年度は、以下の研究成果を得た。 ①本年度は新型コロナウイルス感染症に起因するARDSと同様に、TNF-α/ IFN-γ依存的な致死的マウスARDSモデル(Aoyagi T et al., Int Immunol.,2011)を用いてPlet-1の免疫抑制効果を検証した。その結果、マウスPlet-1Fc融合タンパク質(Plet-1Fc)投与群では、明確な体温低下や炎症性サイトカイン産生の抑制は認められなかった。 ②マウス肺胞マクロファージ(AM)の細胞表面には、Plet-1Fcと結合するタンパク質が存在していることを見出した。現在、LCMS解析にて本分子の同定を試みている。 ③ヒトTHP1由来マクロファージにSARS-CoV-2を感染させた後、ヒトPlet-1遺伝子発現を測定した。その結果、有意な発現上昇は認められなかった。 ④Plet-1はAMで高発現していることから、AMの分化に必須の役割を持つサイトカインGM-CSFに対する応答を測定した。その結果、骨髄由来樹状細胞とマクロファージにてPlet-1の発現が誘導された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は東北大学から鹿児島大学への異動があり、採用書類提出や審査準備も含め、3カ月ほど研究の遂行が出来なかった。in vitroおよび生化学的な解析に進展はあったが、in vivoの解析では良好なデータを得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
①細菌やウイルスに起因するARDSの初期症状を模倣したマウスモデル(二本鎖RNA poly I:CまたはLPSを経気道投与して引き起すARDSモデル)を用いて、Plet-1によるARDSの治療を試みる。 ②Plet-1と結合するタンパク質を同定する。 上記の研究を進め、Plet-1の免疫抑制メカニズムを解明するとともに、Plet-1を用いたARDS治療の開発を試みる。
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