研究課題/領域番号 |
22K09137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
齊藤 岳児 浜松医科大学, 次世代創造医工情報教育センター, 准教授 (50402277)
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研究分担者 |
力丸 翼 浜松医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (30928627)
高橋 善明 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (50647386)
吉野 篤人 浜松医科大学, 医学部, 特任教授 (90240332)
成瀬 愛子 浜松医科大学, 産学連携・知財活用推進センター, 特任助教 (40892857)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 無人治療 / ドローン / ローバー / 救急 / 災害 / 災害医療 / 救急医療 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、災害現場における即時型の無人遠隔医療は実用化できていないが、危険な現場において複数の傷病者がいるときに無人遠隔医療は非常に有効である。今回の研究では、本来毒性生物である蜂・サソリ(スコーピオン)を参考にし、「蜂型ドローン」と「スコーピオン型小型車両」を用いて、無人患者評価・筋肉注射を行い、さらに必要であれば「無人救急治療ピット」を用い、傷病者のさらなる無人全身評価・処置を行うシステムを構築する。このシステムが確立することによって、傷病者・救助者の両面から、迅速性・安全性において、救急災害医療の行動規範をドラスティックに変貌させるものになる。
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研究実績の概要 |
2022年度の計画であった蜂型医療用ドローンについて、第51回救急医学会総会学術集会で「ドローンによる大腿部無人筋肉注射方法の検討」として発表した。傷病者の大腿部を想定した食用肉に、自作した注射用ソケットを装備したドローンによる水平穿刺と垂直穿刺とを行い、穿刺と液体注入は全例成功した。針に関しても自作し、針側面に小孔を開け先端をパテで閉鎖することで製作した。目標穿刺点からのずれは、水平穿刺群では 38.6±17.7 mm、垂直穿刺群では 59.4±30.3 mm (p=0.013)であり、水平穿刺の方がより正確に筋肉注射できることが分かった。穿刺深度に関しては、水平穿刺群で42.4±16 mm、垂直穿刺群で29.3±16.6 (p= 0.006)であり、こちらも水平穿刺群の方が深く穿刺できた。この研究結果は論文作成中である。 さらに、2023年度に作成予定の穿刺用スコーピオン型ローバーの開発に着手した。アトラックラボ製のローバーを改造し、ローバー上に設置した昇降に加え前後方向に動くクレーンに付属した前方/下方視用カメラを装着したローバーを製作した。操縦はwifi経由によりiPadでのローバー操作に加えクレーンカメラの操作が一括でできるようにした。傷病者に見立てた被験者を臥位とし、ローバーが穿刺する大腿部を同定可能な段階まで研究は進行している。注射器の射出に関しては、2022年度に製作した自作針を用いて実験進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度に開発予定であった射出装置の正確性が不十分でありるため、やや実験遂行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
ドローンによる穿刺は問題なくできているが、ドローンの発進の際に危険が伴うことがあり発進台を作成する予定である。ローバーによる穿刺については、カメラによる傷病者の同定はうまくいっており、射出機器を完成させるため鏡筒型の構造を用いて製作していく。それと同時に今年度、プロトタイプができている無人治療ピットを完成させる。
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