研究課題/領域番号 |
22K09140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
蛯原 健 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (10813975)
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研究分担者 |
福田 士郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00896467)
喜多 俊文 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座講師 (10746572)
杉原 文徳 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (50381645)
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379203)
小倉 裕司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70301265)
松本 寿健 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (70644003)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | アディポネクチン / カドヘリン / 熱傷 / 血管内皮障害 / オートファジー / アディポカイン / Tカドヘリン / サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症、COVID-19などの侵襲病態では細菌やウイルスにより免疫担当細胞が活性化され、全身炎症性反応症候群(SIRS)が惹起される。近年、エネルギー基質の貯蔵を担う脂肪細胞が、アディポカインを産生し免疫担当細胞として重要な役割を担うことが注目されている。今回の研究では脂肪細胞が産生するアディポカインの制御に細胞の自食作用であるオートファジーが関与しているか?アディポカインの代表であるアディポネクチンにようる炎症制御機構はなにか?の2点を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では以下の2つに注目し研究を行う。1)SIRS患者(敗血症、熱傷、CVID-19)の脂肪組織におけるオートファジーの役割を明らかにする。2)SIRS患者におけるアディポネクチン/Tカドヘリンの役割を明らかにする。 本年度は2)に対して重症熱傷患者を対象にアディポネクチン、T-カドヘリンの動態を明らかにした。対象は重症熱傷64例、健常コントロール16例である。熱傷患者のうち12例は死亡した。血漿中の、アディポネクチンと3種類(130kDa、100kDa、30kDa)のT-カドヘリンを複数回、ELISA法を用いて測定した。また併せて血管内皮障害のマーカーとしてPAI-1、Hyaluronan、Syndecan-1、Glypican-1もELISA法を用いて測定した。結果として、死亡例では来院時に採取した血漿のアディポネクチンが有意に高値を示した。一方、T-カドヘリンと死亡との関連は認めなかった。熱傷では初期に血管内皮障害を契機とした血管透過性の亢進が生じるが、循環を維持するために大量の輸液投与をおこなう。この初期24時間の輸液量と来院時に採取した血漿中のTカドヘリン(100kDa)が逆相関を示していた。このT-カドヘリンは血管内皮障害が生じた場合上昇する、PAI-1、Syndecan-1、Hyaluronanとも逆相関を認めたことから、血管内皮障害の程度に応じて血中のTカドヘリンが低下していることが予想された。アディポネクチンはTカドヘリンに結合し細胞保護的に働くことがわかっており、熱傷侵襲により傷ついた血管内皮の修復にTカドヘリンが使用されている可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究2に対しては予定通り進んでいるが、研究1の検体採取がすすんでいない。
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今後の研究の推進方策 |
研究1に対して、該当症例における検体採取をすすめていく。研究2に対して既に集積している敗血症(細菌性)ならびにCOIVD-19患者の血漿を用いて解析をすすめていく。研究2ではエクソソームのプロテオミクスとして質量分析の方法を確立していく。
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