研究課題/領域番号 |
22K09141
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
菊谷 知也 広島大学, 病院(医), 助教 (10811341)
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研究分担者 |
相澤 秀紀 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (80391837)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 敗血症 / 集中治療後症候群 / トランスロケータープロテイン / ステロイド / プロゲステロン / 補体 / ミトコンドリアタンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「TSPOの欠損はステロイド産生障害を介して、敗血症の経過やその後のPICSの発症に影響を与える」という仮説を検証するため、二つの実験系A)・B)に分けて実施する。 A)TSPOの欠損が敗血症の経過やPICS発症に与える影響を調べる実験系(2022-2023年度) B)TSPOの欠損はステロイド産生障害を介して、敗血症の経過やPICS発症に影響を与えることを確認する実験系(2024年度)
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研究実績の概要 |
1)TSPOKOマウスは野生型マウスに比べて盲腸結紮穿刺(CLP)による敗血症急性期にプロゲステロンが低値であるという前年度までの結果から、TSPOKOマウスで認められた敗血症後遺症の影響にプロゲステロンの不足が影響している可能性を考慮し、プロゲステロンの補充実験を行った。TSPOKOマウスをランダムにプロゲステロン投与群(N=15)とVehicle投与群(N=15)の2群に分けて、CLP施行後にプロゲステロン(8mg/kg)もしくはVehicle投与を5日間行った。プロゲステロン投与群で生存率、体重減少はやや良好な結果であったものの有意差は認めず、慢性期の行動実験(高架式十字迷路、尾懸垂試験、Y迷路、オープンフィールド試験)でも両群に有意差は認めなかった。プロゲステロンの量や投与タイミングなどの影響も考えられるが、TSPOKOによる敗血症予後悪化の影響はプロゲステロンの不足によるものだけではないことが示唆された。 2)敗血症とTSPOの関連を調べるため、実際の敗血用患者と健常コントロールの血漿を用いてELISA法で血漿中のTSPOを測定した。その結果、敗血症患者では血漿中TSPOが健常コントロールに比べて有意に低いことが示された。ROC解析の結果、敗血症診断におけるTSPO値のAUCは0.8以上であり、血漿TSPOが敗血症診断に有用である可能性が示唆された。この機序の解明の過程で、ミトコンドリア機能障害の指標とされるgrowth differentiation factor 15 (GDF-15)に着目し、ELISA法で敗血症患者の血漿GDF-15を測定した。敗血症の合併症である敗血症性心筋症を合併した患者では血漿GDF-15が有意に上昇しており、敗血症性心筋症のバイオマーカーになりうることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
TSPOKOマウスに対するステロイド(プロゲステロン)補充実験は予定通り行えた。ただし、今回の条件下では、敗血症の生存率や後遺症の改善は認められなかった。
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今後の研究の推進方策 |
TSPOはコレステロール輸送に関与することから、TSPOが敗血症の経過や後遺症に与える影響とその機序について、ステロイドのみならず脂質に注目した解析を進めていく。
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