研究課題/領域番号 |
22K09155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中根 正樹 山形大学, 医学部, 准教授 (30325964)
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研究分担者 |
早坂 達哉 山形大学, 医学部, 助教 (20869911)
小野寺 悠 山形大学, 医学部, 講師 (30594329)
渡辺 昌文 山形大学, 医学部, 教授 (60360096)
川前 金幸 山形大学, 医学部, 名誉教授 (70254026)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 人工呼吸 / 肺保護換気 / 人工知能 / モニター |
研究開始時の研究の概要 |
不適切な人工呼吸は、人工呼吸器による肺の損傷、自発呼吸によって誘発される肺の損傷、人工呼吸器とヒトの呼吸との同調性の悪化などが引き起こされ、患者の治療経過を悪化させ、救命率を低下させる原因となる。通常は医師や看護師など危険に気付いた医療従事者が対処しているが、本研究では、人工呼吸器に表示される気道内の圧変化、気流の速さ、換気される量の3つの波形データから、人工知能が危険な信号をリアルタイムに継続的に適確に評価判断し迅速に警告を発するようなモニターを作成することで、冒頭に述べた不適切な人工呼吸による有害な現象を回避すると同時に、医療従事者の負担軽減を図る、自動評価システムの開発を進めていく。
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研究実績の概要 |
研究初年度である2022年度から2年目の2023年度前半にかけて、人工呼吸器による陽圧換気の弊害である人工呼吸器関連肺損傷に進展する危険性のあるグラフィックモニタ上の基本的な異常波形を、人間の肺を模した模型の肺であるモデル肺を用いて、様々な肺障害のレベルを再現しながらシミュレーションし、これらの異常を効率良く判定しうるAIモデルのプログラミングを試みた。 肺障害のレベルとしては拘束性呼吸障害と閉塞性呼吸障害を設定し、呼吸機能が正常な場合と比較しながら、AI予測プログラムの基礎モデルとした。グラフィック画像の枚数がかなり多いため解析に時間を要したが、プログラムの調整を繰り返しながら検証したところ、高一回換気量や高気道内圧、低コンプライアンスや高気道抵抗などの設定に対して、異常であることを判定しうるAI予測モデルの基礎となる予備的なプログラミングを完遂することができた。この予測モデルを使用することで、上記モデル肺での異常として高一回換気量と換気回数過多状態における呼吸の異常、そして様々なレベルのコンプライアンスと気道抵抗の組み合わせにおいても同様に異常を検知しうる予測モデルとなっていることを確認した。 2023年度後半からは、このAI予測モデルをICUで治療中の人工呼吸患者に実際に適応し、グラフィックモニタのデータを取得し始めており、現時点で80名分のデータ取得が完了したところである(当初の目標は2023年度に100名分)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備研究として行ってきた、様々なレベルのコンプライアンスと気道抵抗の組み合わせを設定し、モデル肺によるシミュレーションを応用してのAI予測モデルの作成に、予想よりも時間を要し、技術者の人数を増員して対応したものの、若干の遅れとなっている。また臨床データについては、AI予測モデルの検証が終わり、完成してからの開始が望まれたため、臨床データの取得開始がやや遅れたものの、その後は順調に進んでいる。開始後初期のデータの分析では問題なさそうであるが、今後も取得データに問題があれば修正する必要があるためデータの検証を定期的に行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
AI予測モデルの完成に時間を要したため臨床データの取得開始がやや遅れたものの、その後は順調に進んでいる。開始後の初期のデータの分析では取得データに問題はなさそうであるが、今後も所得データの検証を定期的に行っていき、問題があれば必要に応じて修正していく予定である。また症例数のペースが低下しないないように、日々の診療における対象症例の拾い上げや患者家族からの同意取得を効率よく行い、研究への参加を促していく。またデータ解析には、モデル肺の時と同様に技術者の協力が必要なため、早めに労働力の確保を計画し、データ解析にかかる研究の進行の遅れが生じないよう配慮していく。
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