研究課題/領域番号 |
22K09163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
小網 博之 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10465354)
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研究分担者 |
阪本 雄一郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (20366678)
宮庄 拓 酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (50568996)
松岡 綾華 佐賀大学, 医学部, 病院助教 (20926167)
品田 公太 佐賀大学, 医学部, 病院助教 (80817429)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 補体活性化 / 輸血療法 / 集中治療 / 血液型 / 凝固線溶異常 / 静脈血栓症 / 大量輸血 / 輸血副反応 / 重症外傷 / Damage Control |
研究開始時の研究の概要 |
近年、大量出血を伴う重症外傷患者に対する輸血戦略として、新鮮凍結血漿や血小板製剤を早期から十分量投与する大量輸血戦略が推奨されている。しかし、緊急輸血療法後の輸血副反応に関する実態や機序については不明な点が多い。そこで、我々は、補体活性化がこうした副反応の機序として中心的な役割を果たしていると考え、その実態を後ろ向き研究から明らかにし、前向きに集積した症例における補体活性化と緊急輸血の関係を調査する研究を行う。また、こうした補体活性化が、溶血反応や血管内皮細胞障害と相関することを細胞培養実験で評価する。本研究により、今後の緊急輸血における溶血性副反応の予防や外傷による合併症の軽減につながる。
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研究実績の概要 |
本プロジェクトでは、重症外傷患者に対する大量輸血療法に伴う補体活性化について明らかにするものである。これまで、血液型による輸血効果に関する研究や輸血投与パターンによる生体侵襲に関する2つの後方視研究と、当救命センターにおける輸血療法の効果と補体活性化に関する前向き研究、細胞培養を用いた血管内皮細胞障害を解析するex vivo研究の合計4つを予定している者である。 2つの後方視研究に関しては、データ数も多く、現在も解析を継続しているところであり、まだ公表できる段階ではない。本年度は、これに加えて、日本血栓止血学会の医療用データベースを用いた観察研究において、感染症による補体活性化と臨床転帰との関係を解析するプロジェクトも行う機会を得た。こちらは、現在論文執筆もほぼ終えている段階である。 また、前向き研究に関しては、手続きなどで開始が遅れていたが、今年度より当救命センターにおいて、症例集積を開始した。救急搬送された重症病態における補体活性化と凝固線溶異常の関係、また、臓器障害や血栓性合併症の関係などを解析する。さらに本プロジェクトのテーマでもある輸血前後における補体活性化に関する検体も収集している。こちらは、来年度も集積を継続していく予定である。 最後に、細胞培養に関しては、研究用の消耗品などの発送に時間を要したり、研究室自体の工事による引っ越しの打ち合わせなどの推移も見合わせながら、実験する時期を調整しているところである。2024年度に開始する方針とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していたプロジェクトは4つのうち3つは開始しており、加えて1本の後方視研究はすでに成果をまとめている。細胞培養の実験に関しては、実験環境の調整にもう少し時間を要するが、次年度には開始できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2本の後方視研究については、データ解析中であり、次年度を目標にデータ公表を進めていく予定である。また、現在論文作成している後方視研究については、出版まで行いたい。 さらに、前向き研究に関しては、すでに症例収集開始しており、100例を目標としながら収集を継続予定である。来年度中にはデータ収集を終え、解析まで進めて行ければと考えている。 細胞培養に関しても、すでに備品や試薬などはほぼ準備できており、次年度中に研究開始する。
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