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トランスクリプトーム解析から展開するパターン認識を応用した病態解析法の基盤構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K09164
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55060:救急医学関連
研究機関長崎大学

研究代表者

田島 吾郎  長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (00437427)

研究分担者 上村 恵理  長崎大学, 病院(医学系), 助教 (20850647)
梅原 敬弘  産業医科大学, 医学部, 准教授 (60617421)
池松 和哉  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80332857)
田崎 修  長崎大学, 病院(医学系), 教授 (90346221)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード全身性炎症 / 敗血症 / 熱傷 / パターン解析 / 遺伝子 / パターン
研究開始時の研究の概要

重症患者の病態や治療において‘炎症と抗炎症のバランス’が重要であると言われるが、そのバランスを評価できる方法はない。複雑な炎症病態を評価するには単独のマーカーによるアプローチでは限界があり、複数マーカーの活性化のバランス(=パターン)を評価する新たな方法が必要である。本研究ではパターン認識理論に基づいて、次世代シーケンサーを用いて炎症病態をパターンとして評価・診断する方法を確立することを目的とする。パターンによる評価法が確立できれば、重症炎症病態の免疫システムそのものを評価できる新たな病態解析法となり新規治療へのアプローチが可能になると考える。

研究実績の概要

これまでの先行研究でC57BL/6マウスのSham、敗血症モデル(18 G, 25 G針による盲腸結紮穿孔モデル:CLP18,25)、広範囲熱傷モデル(30%, 10%のⅢ度熱傷モデル:Burn30,10)において、受傷24時間後の白血球のRNAシーケンスを施行した。バイオインフォマティクス解析をStrand NGS(Strand Life Sciences Pvt. Ltd., Bangalore, India) を用いて解析をい、NGS後の統計解析で157のmRNAで5群間に有意差を認めた(ANOVA p<0.05)。今年度はGO解析、Pathway解析で抽出した遺伝子群意外にもANOVAで各群間で著明に変化した遺伝子(Ngp, Olfm4, Hspa1b, Cr2, Fcer2a)を抽出して受傷6, 12, 24時間後の全血からRNAを抽出してqPCRを施行した。Ngp, Olfm4の発現は6時間後からCLP, BurnでShamより有意に上昇し, CLPでBurnと比較し有意な上昇を示した(p<0.05) 。また、BurnでHspa1bが著明な上昇を示した(p<0.05)。Cr2, Fcer2aはCLPにおいてSham, Burnより有意な低下を示した(p<0.05) 。各群で6時間後から特徴的な遺伝子発現パターンを示し, 判別分析では各病態を100%判別可能であった。トランスクリプトーム解析で抽出した遺伝子発現パターンによる新たな病態判別法の可能性が示唆された(第51回日本救急医学会総会で発表)。
今後は病態判別にさらに有用な遺伝子を探索して、新たな病態判別法の開発を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

動物実験においては、敗血症、熱傷モデルにおけるトランスクリプトーム解析で抽出した遺伝子発現パターンにより病態を判別できることを明かとした。しかし、臨床業務の多忙、マンパワー不足のため、蛋白レベルでの発現パターンの解析と、新たなパターン解析の方法が進められておらず、臨床検体を用いた研究も上記臨床業務の多忙と発熱患者の検体が集まっていないことにより研究が遅れている。

今後の研究の推進方策

マウス敗血症、熱傷モデルにおいてトランスクリプトーム解析で抽出した遺伝子発現パターンにより病態を判別できることを明らかとしたが、今後はNGSで網羅的に探索した結果より新たな病態に特徴的なマーカーの探索とパターン解析の新たな方法の検討を行っていく予定である。また、蛋白発現についても測定系を確立して測定を進めていく。また、臨床検体の収集を進めて、発熱患者の末梢血白血球における遺伝子発現について、動物モデルと同様に解析を進める予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 特集 熱傷 Part 1 熱傷総論 5.免疫応答/修飾-近年の研究から解明されてきたこと2023

    • 著者名/発表者名
      田島 吾郎
    • 雑誌名

      INTENSIVIST

      巻: 15 号: 2 ページ: 207-216

    • DOI

      10.11477/mf.3102201073

    • ISSN
      1883-4833, 2186-7852
    • 年月日
      2023-04-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] トランスクリプトーム解析を用いた全身性炎症モデルの病態判別2023

    • 著者名/発表者名
      田島吾郎、上村恵理、村橋志門、三浦深雪、池松和哉、田崎修
    • 学会等名
      第51回 日本救急医学会総会・学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] トランスクリプトーム解析を用いた遺伝子発現パターンによる熱傷と感染の病態判別2023

    • 著者名/発表者名
      田島吾郎、上村恵理、村橋志門、三浦深雪、池松和哉、田崎修
    • 学会等名
      第49回 日本熱傷学会総会・学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 全身性炎症におけるトランスクリプトーム解析を用いた病態判別法2022

    • 著者名/発表者名
      田島吾郎、上村恵理、村橋志門、三浦深雪、池松和哉、田崎修
    • 学会等名
      第50回 日本救急医学会総会・学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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