研究課題/領域番号 |
22K09173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
蒲原 英伸 東京医科大学, 医学部, 教授 (90398222)
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研究分担者 |
須田 慎吾 東京医科大学, 医学部, 助教 (30421093)
小野 聡 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (30531355)
池田 寿昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (90246182)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ARDS / Collagen / Fibrosis / COVID-19 / 繊維化 / コラーゲン |
研究開始時の研究の概要 |
COVID-19は特異な間質性肺炎像から重症化すると急激に酸素化が低下しARDSを発症する。ARDSは細菌やウイルス感染症、外傷、胃酸誤嚥、薬物など種々な要因で発症するが、病態の共通点は肺局所でのサイトカインストームによる急性炎症である。一方COVID-19および従来型の慢性期ARDSの問題として、治療に難渋する線維化をよく経験する。本研究ではCOVID-19と従来型ARDSを比較し線維化発症のメカニズムを解明し新たな診断治療法を開発する事を目的とする。
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研究実績の概要 |
COVID-19は胸膜直下まで広がる特異な間質性肺炎像を示すことが多いが重症化すると急激に酸素化が低下しARDSを発症する。これまで経験指摘たARDSは細菌やウイルス感染症、外傷、胃酸誤嚥、薬物など種々な要因 で発症するとされてきた。COVID-19およびNon COVID-19による病態の共通点は肺局所でのサイトカインストームによる急性炎症である。 一方、COVID-19およびNon COVID-19の慢性期ARDSの問題として、治療に難渋する線維化をよく経験する。本研究ではCOVID-19とNon COVID-19に起因するARDSを比較し線維化発症のメカニズムを解明し新たな診断治療法を開発する事を目的としている。
米国のAF. Rendeiro, H Ravichandranらは、Nature(2021)において、細菌、ウ イ ル ス(Influenza, SARS-CoV-2)感染患者の病理解剖で採取された肺組織を好中球、単球、コラーゲ ンにて染色した結果、COVID-19の 晩期と従来型ARDSのみにコラーゲンの沈着(Fibrosis)を認めた。よってARDSの late phaseに生じる線維化の制御ためには、コラーゲンを標的とした治療戦略の可能性が示唆される。 昨年よりワクチン普及などによりCOVID-19のパンデミックの影響は減じており、重症化する症例も散見する程度となってきた。臨床業務を兼任しつつ、本研究業務にもlabor volumeのshiftが可能となってきた。これまでのARDSのdata fileの作成を引き続き行いつつ、In-vitro systemでの炎症とコラーゲンとの関連の解析も進めている。臨床・基礎的解析によりCOVID-19由来・非由来ARDSにおける線維化発症のメカニズムの相違点を解明していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19のパンデミックの影響は減じており、臨床業務を兼任しつつ、本研究業務にもlabor volumeのshiftが可能となってきた。当院で経験したARDS症例を可及的に集積し、診療録を用いてData Fileを作成している。In-viro系においては、肺胞上皮細胞および線維芽細胞株を用いて、COVID-19のウイルス成分(非感染性)による刺激により炎症・コラーゲン産生の影響についての解析が進行中である。また、コラーゲン受容体のDDR1の制御に関連する試薬(RNAi, 中和抗体など)を用いての解析も進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
ARDSのData FileのUpdateは引き続き行っていく。また、In-vitroの系においては、複数の肺胞上皮細胞および線維芽細胞の培養を行っており、COVID-19の各種のウイルス成分(非完成性)を用いての刺激実験を進めていく。COVID-19による炎症誘導から線維化に発展していくメカニズムについて、Wester blottingなどを用いて炎症関連因子の制御性などを明らかにしていく。古典的な解析として行われてきたBleomycinよる刺激でも合わせて解析していく。
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