研究課題/領域番号 |
22K09202
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
鈴木 修平 山形大学, 医学部, 助教 (90637175)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 膠芽腫 / 神経伝達物質 / メラノコルチン / サバイビン / ドラッグリポジショニング |
研究開始時の研究の概要 |
最も悪性度の高い腫瘍のひとつである「グリオブラストーマ(膠芽腫)」への治療に関する研究です。「メラノコルチン」という最近注目を集める神経伝達物質を中心とした課題であり、患者の生活の質を保ちながら、治療効果も同時に得られるような、体に優しい、かつ効果の高い治療の開発に取り組みます。メラノコルチン以外の新たな治療標的の探索へも展開させていく予定です。
|
研究実績の概要 |
本研究課題は、治療困難な悪性腫瘍の代表であるグリオブラストーマ(膠芽腫)への治療戦略を神経伝達物質という観点で開発していくものである。 これまで、実際の患者から樹立されたグリオブラストーマの、その中でも癌幹細胞という極めて悪性度の高い性質を備えた細胞を対象に予備的な実験を行い成果を得てきたが、今年度は、一般的に広く用いられる膠芽腫細胞や、他の種類の癌細胞を用いて実験を行った。また、それだけでなく、本研究の主軸をなす薬剤であるbremelanotideだけでなく、同様のコンセプトでありながらも全く別の神経伝達物質経路を標的とした新薬Xを用いて実験を行った。 部分的、限定的な実績と解析にとどまるが、広く用いられる膠芽腫の細胞株や膵臓がんなどの細胞株を用いた実験においては、メラノコルチン作動薬であるbremelanotide処理によって、サバイビンなどのアポトーシス抵抗性分子の発現減弱や、悪性腫瘍で目立つ代表的な分子であるミックなどの経路の減弱などを介する形での抗がん効果や殺細胞性抗がん剤の治療効果増幅作用について有効性を示唆する結果を得ることができ、予備的な検討においては肺がんでも同様の所見が得られつつあり、画期的な知見を得られる可能性がある。 また、新薬Xを用いた検討においても癌幹細胞の特徴的な性質のなかでも特に上皮間葉移行の減弱や薬剤排出トランスポーターの発現減弱を介した抗がん効果を示唆する所見が得られつつあり、今後こちらについても全く新しい知見を得ることができる可能性がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れていると判断する。 理由は主に2点あり、1点目は薬剤処理を施すことで事前に想定していなかったシグナル経路への波及が見られたため、当初の計画よりも幅広いシグナル経路や細胞機能の解析を要したことで、2点目は、コロナウィルス感染症の流行に伴う病院スタッフの欠員により臨床業務へ割かれる時間が想定に比して増加していたためである。 次年度以降で遅れを取り戻せるように善処してきたいと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
予定していた計画よりもやや遅れているが、特に変更はせずに遅れを取り戻す形で予定通りの計画を進めていく。具体的には、遺伝子過剰発現やノックダウン法を用いて分子的な機序を明らかにしていくことや、マウスモデルの構築などを進めていく予定である。
|