研究課題/領域番号 |
22K09206
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
細見 晃一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70533800)
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研究分担者 |
貴島 晴彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10332743)
押野 悟 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40403050)
谷 直樹 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20598370)
クー ウイミン 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (70591022)
森 信彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任研究員(常勤) (20833924)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 中枢性脳卒中後疼痛 / 脊髄刺激療法 / 脊髄刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
脊髄刺激療法による神経伝導路への作用を調べるために、脊髄刺激誘発電位および脊髄刺激による感覚誘発電位の変化を測定する。次に、脊髄刺激による脳内の神経回路変化を評価するためにfMRIを計測する。誘発電位測定では、新たな脊髄刺激の神経生理学的な指標として注目されている脊髄誘発複合活動電位を測定し、中枢神経内の活動変化との関係を明らかにする。脊髄刺激療法による除痛に特異的な神経活動の変化を計測することで、中枢性脳卒中後疼痛に対する脊髄刺激療法の中枢神経内の除痛機序の解明に迫る。
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研究実績の概要 |
中枢性脳卒中後疼痛は、治療の難しい難治性疼痛であり、そのような症例に脊髄刺激療法が行われている。脊髄の電気刺激で中枢性脳卒中後疼痛が緩和するその機序についてはあまり分かっていないため、本研究では、脊髄刺激療法の中枢神経系内の作用機序について検討している。 初年度に、各種電気生理学的検査や定量感覚検査の実施条件について検討した。健常者及び慢性疼痛患者を対象に、各種誘発電位や感覚閾値を様々な条件で測定し、最適な条件を決定した。温度刺激誘発電位は健常者において6名中4名で導出されたが、中枢性脳卒中後疼痛患者では5名全員で導出できなかった。中枢性脳卒中後疼痛患者では電気刺激による体性感覚誘発電位も導出できたのは5名中1名だけであった。次に脊髄刺激療法を受けた6名の慢性疼痛患者を対象に体性感覚誘発電位や脊髄刺激誘発電位を測定した。体性感覚誘発電位は末梢では全例で導出されたが、脊髄では1名、脳皮質では半分の症例で導出された。脊髄刺激誘発電位は初期の1名を除いて5名で導出できた。神経伝導速度の計算からは脊髄刺激は脊髄内のAβ線維を刺激していることが推定された。脊髄刺激誘発電位の振幅は、刺激強度と共に増大していくが、感覚閾値以下では導出されていなかった。その他、脊髄刺激誘発電位の振幅は刺激周波数にも依存していた。様々な条件での誘発電位の潜時を調べたところ、脊髄刺激誘発電位は陰極で発生していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究参加症例数が予定よりも少なく、データ蓄積が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、さらに症例数を増やしていき、脊髄刺激の中枢神経内の作用部位を探索し、刺激周波数や刺激パターンによる電気生理学的特性の違いについて検討していく。また、患者の臨床症候や脊髄刺激療法の反応性と電気生理学的特性の関係についても解析を進めて行く。最後に解析結果をまとめて成果発表を行う。
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