研究課題/領域番号 |
22K09213
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中澤 務 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00772500)
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研究分担者 |
松田 良介 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (60453164)
西村 文彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70433331)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | NK細胞 / HIF-1α / 膠芽腫 / 低酸素 / CRISPR/Cas9 / HIF1α |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはこれまでに高純度ヒトNK細胞の大量培養技術ならびにゲノム編集技術CRISPR/Cas9を用いてチェックポイント受容体PD-1を破壊したCAR-T細胞の誘導技術を開発し、膠芽腫に対する抗腫瘍効果を実証した。今回の研究ではヒトNK細胞の機能抑制分子(チェックポイント分子) の1つであるHIF-1α 遺伝子をCRISPR/Cas9 で破壊したゲノム編集NK細胞を誘導し、その膠芽腫に対する抗腫瘍効果を検証する。誘導されるゲノム編集NK細胞は膠芽腫の低酸素状態を介したHIF-1αによる機能抑制を克服し、膠芽腫に対してこれまでに類を見ない抗腫瘍効果を誘導できる可能性がある。その結果、膠芽腫に対する新たな治療法となることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はチェックポイント分子HIF-1α遺伝子をCRISPR/Cas9で破壊したゲノム編集NK細胞を体外で誘導し、膠芽腫に対する抗腫瘍効果の解析や臨床応用に寄与する細胞特性解析を行うことである。 昨年度は①guide RNAの設計、② ゲノム編集NK細胞の誘導、③ ゲノム編集効果の検証、④ ゲノム編集NK細胞の網羅的遺伝子発現解析を行った。 本年は昨年に引き続き以下の実験を行い結果を得た。 ④ ゲノム編集NK細胞の網羅的遺伝子発現解析:昨年得られたデータをもとに網羅的遺伝子発現解析、KEGGパスウェイ解析、DAVIDやGSEAによるエンリッチメント解析を実施し、HIF-1αノックアウトNK細胞に関連する遺伝子群を同定した。 ⑤ in vitro抗腫瘍効果解析:ゲノム編集NK細胞の膠芽腫細胞株(T98G、U251MG) に対する増殖抑制効果をRTCADP(ACEA社)を用いて評価した。通常および低酸素状態でも評価を行い、低酸素状態でのみHIF-1αノックアウトNK細胞の膠芽腫細胞に対する増殖抑制効果が高まった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに研究が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は計画通りに以下の実験を行う予定である。 ⑥ 高度免疫不全マウスを用いたゲノム編集NK細胞の抗腫瘍効果解析:ヒトNK細胞やヒト膠芽腫細胞を効率的に生着させるために高度免疫不全NOGマウスを用いる。ヒト膠芽腫細胞U87MGをNOGマウスの脳内に移植し、ゲノム編集NK細胞を同所性に投与する。生存期間やmicro CT による腫瘍量の測定、腫瘍の組織学的評価を行う予定である。
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