研究課題/領域番号 |
22K09222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
大野 誠 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (70598648)
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研究分担者 |
里見 介史 杏林大学, 医学部, 学内講師 (10633977)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | メトホルミン / 膠芽腫 / 腫瘍幹細胞 / バイオマーカー / 付随研究 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は初発膠芽腫に対するメトホルミンの抗腫瘍効果を検討する目的で、「初発膠芽腫に対するテモゾロミド併用放射線初期治療後のメトホルミン併用テモゾロミド維持療法に関する第I・II相試験 (略称: MET study)」を行なっている。MET studyは、メトホルミンによる転写因子Forkhead Box O (FoxO) 3の活性化を介した膠芽腫幹細胞の非腫瘍幹細胞への誘導効果を標的とした新たな治療戦略の開発を目指している。本研究はMET studyの付随研究としてメトホルミンの治療効果・予後と関連するバイオマーカーや抗腫瘍機序を明らかにすることにより、今後メトホルミンの有効性を検証するランダム化比較第III相試験を行う理論的根拠を得ることが期待される。
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研究実績の概要 |
膠芽腫は最新の手術、放射線治療、化学療法を組み合わせた治療法をもってしても致死的再発が不可避である。我々は膠芽腫が放射線化学療法施行後に再発をきたす機序として、放射線化学療法に耐性である腫瘍幹細胞の残存が再発の原因となることに注目し、腫瘍幹細胞を標的とする新たな治療法の開発が必要と考えた。我々の一連の培養膠芽腫幹細胞を用いた研究から2型糖尿病治療薬として広く臨床で用いられているメトホルミンがFoxO3活性化を介して膠芽腫幹細胞において腫瘍幹細胞を非幹細胞へと分化誘導し治療効果を持つことを明らかにした。 そこで2021年2月より膠芽腫に対するメトホルミンの抗腫瘍効果を検討する目的で、先進医療B制度下での特定臨床研究 (研究課題名:初発膠芽腫に対するテモゾロミド併用放射線初期治療後のメトホルミン併用テモゾロミド維持療法に関する第I・II相試験 (略称: MET study))を行なってきた。2022年3月に第I相試験が終了し、2022年8月に第I相試験部分を論文発表した。さらに2023年5月に第II相試験の最終の患者登録が終了し1年後の2024年に結果の公表予定である。 本付随研究の目的はMET studyに登録された患者の手術検体を用いて遺伝子変異、膠芽腫幹細胞の存在、幹細胞からの分化に関与する転写因子FoxO3の活性化、チェックポイント分子発現、リンパ球浸潤を解析し、予後との関係を明らかにすることである。この研究により治療経過・予後と関連するバイオマーカーの検索およびメトホルミンの抗腫瘍機序の解明が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度はMET studyの本体研究の第I相試験部分の論文化 (Ohno et al. Cancers 2022)や引き続く第II相試験部分の患者登録やデータ整理などを行うことに時間を費やした。さらに本付随研究でも検討予定であるPD-L1、リンパ球、マクロファージ浸潤と悪性神経膠腫の予後および画像所見との関係の論文化 (Ohno et al. J Neurooncol. 2022)を先行したこともあり達成度がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
①国立がん研究センター中央病院でルーチン化されている遺伝子変異検索およびOhno et al. J Neurooncol. 2022の論文で確立したPD-L1発現やリンパ球浸潤の検討方法を用いて付随研究計画書作成を進める ②付随研究計画書の倫理審査委員会の承認と同時にサンプル収集を開始し、臨床検体の解析を開始する
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