研究課題/領域番号 |
22K09227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
足立 明彦 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (60758407)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | リキッドバイオプシー / 体液生検 / 髄液 / ロングリード次世代シーケンサー / 類上皮性膠芽腫 / BRAF V600E / 軟髄膜黒色腫症 / NRAS / 感染症 / 脳腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
脳外科臨床において、一般検査や画像検査のみで診断の付かない病態が存在する。髄膜炎・脳炎や占拠性(腫瘤性・嚢胞性・播種性)病変の確定診断のために、穿頭や開頭での生検など侵襲的処置を要したり、Gram染色や細胞診で病態が分からない場合、各種培養や短鎖NGSを用いた配列解析に時間が掛かることがある。本研究では主に感染症および腫瘍を標的とし、長鎖NGSを用い脳脊髄液を解析することで以下を行う。 ① 病原体および腫瘍病名の迅速かつ正確な診断を行えることを証明する。 ② 感染症では診断に必要な病原体特異的な配列データを集積する。 ③ 腫瘍症例においては既存の短鎖NGSで解析困難であった染色体構造異常を検出する。
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研究実績の概要 |
長鎖シーケンサーでの髄液リキッドバイオプシーを行う前に、予備実験として短鎖シーケンサーでの髄液リキッドバイオプシーを、腫瘍症例において行った。 類上皮膠芽腫患者の髄液中の循環腫瘍細胞から抽出したDNAの全エキソームシーケンスを行い、BRAF V600E 変異が検出可能であることを証明した。原発性びまん性軟髄膜黒色腫症患者の循環腫瘍細胞からも、同様にしてNRAS Q61R 変異を検出した。 前者では遠沈・濃縮した腫瘍細胞を含む髄液からDNA抽出行い、イルミナNovaSeq600にてシーケンスを行い、DRAGEN Bio-IT Platform/Trimmomatic/Strelka2/SnpEff/SIFTを用いて解析を行った。後者では遠沈した腫瘍細胞塊をホルマリン固定後、一旦セルブロックとしてパラフィン包埋したFFPE標本からDNA抽出を行い、イオントレントIon PGM Dxにてシーケンスを行い、Torrent Suite Dx Softwareを用いて解析を行った。 また、更なる患者検体の収集のために Medical Science Digest 2022年8月臨時増刊号において、『髄液リキッドバイオプシー』と題した総説を書き綴り、広く他医療機関に研究への参加を呼び掛けた。 加えて新たに、研究分担者として広島大学(放射線災害・医科学研究機構)の川島友莉先生に、研究協力者として千葉大学(医学部附属病院)の中野茂樹先生に、本研究で協働いただく準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は予備実験として、既存の短鎖シーケンサーを用いて稀な脳腫瘍の2例において髄液中の循環腫瘍細胞から腫瘍型に特徴的な点突然変異を検出することができた。 髄液播種を来している場合においては、短鎖シーケンスに必要なDNA量を確保できた。
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今後の研究の推進方策 |
腫瘍症例においては、まずは髄液播種症例において長鎖シーケンスに必要なDNA量を抽出できるか否かを確認する。 また髄液播種を来していない場合においても cell free DNA からシーケンスに足る量を得られるか検証する。
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