研究課題/領域番号 |
22K09233
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
甲田 将章 神戸大学, 医学研究科, 助教 (80590843)
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研究分担者 |
篠山 隆司 神戸大学, 医学研究科, 教授 (10379399)
中井 友昭 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60596089)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | カルベノキソロン / 脳梗塞 / 脳虚血 / carbenoxolone |
研究開始時の研究の概要 |
急性期脳梗塞に対する血栓回収療法は効果的だが、適応症例は限定的である。血栓回収療法非適応例のサルベージのためにも、脳虚血のメカニズムの解明が必須である。これまでの検討でHeat Shock Protein(HSP)27の誘導が抗虚血効果を有することを見出している。HSP27誘導薬であり、かつ、gap junction阻害、炎症反応制御、11β-hydroxysteroid dehydrogenase阻害などの働きを有するcarbenoxolone(CBX)に注目し、CBX投与により脳梗塞が縮小することをすでに確認している。本研究では、CBXの機能を通して脳虚血のメカニズムを包括的に解明したい。
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研究実績の概要 |
急性期脳梗塞に対するt-PA静注療法や血栓回収療法の効果が示されているが、時間的な制約により適応症例は限定的である。急性期治療非適応例をサルベージするためにも、脳虚血のメカニズムの解明が必要と考えている。これまでの検討によって、Heat Shock Protein(HSP)27の誘導が脳梗塞後の抗虚血効果を有することが解明された。HSP27誘導薬であり、かつ、gap junction阻害、炎症反応制御、11β-hydroxysteroid dehydrogenase阻害などの多様な働きを有するcarbenoxolone(CBX)に注目し、現在、研究をすすめている。 中大脳動脈閉塞虚血―再灌流モデルラットにおいて、手技3時間前にCBX(100mg/kg)を静脈内投与し、再灌流24時間後に梗塞巣体積を評価したところ、CBX投与群では、生食を投与した対象群と比較して、梗塞体積が縮小していることが確認できた。運動機能についての検討もおこなったところ、CBX 投与群では、対照群と比べて運動機能の改善傾向がみられた。 同モデルラットの大脳皮質を用いて全組織RNA-seq解析をおこなったところ、up regulateされたハブ遺伝子としてDrd2、Ntrk1が、down regulateされたハブ遺伝子としてIL1βが同定された。同様の結果が、RT-PCRでも確認できた。 ニューロン様細胞であるPC12細胞、および、グリア細胞様細胞SVGP12細胞を用いて、Oxygen glucose deprivation (OGD)を施行し、CBXのin vitroでの虚血保護効果を検証したところ,PC12細胞ではCBX投与によりOGD後の生存細胞が増加した。SVGP12細胞では、CBX投与による生存細胞の増加はみられなかった。さらに、PC12細胞では、CBX投与によってNtrk1発現の増加を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CBXの抗虚血効果の検証をおこなっており、Drd2、Ntrk1など標的となる遺伝子が判明し、さらなる解析をすすめている。
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今後の研究の推進方策 |
CBXの抗虚血効果を詳細に検討するため、再灌流24時間後のみならず、1時間、3時間、6時間、48時間、72時間でのCBX効果の評価をおこなう。さらに、NTRK1やDrd2を介したCBXの効果を確認するため、ニューロン様細胞であるPC12細胞やグリア様細胞であるSVGP12細胞を用いた検討を引き続き行う.
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