研究課題/領域番号 |
22K09244
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
宮地 茂 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00293697)
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研究分担者 |
大島 共貴 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (30378161)
松尾 直樹 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (30465570)
永野 佳孝 愛知工科大学, 工学部, 教授 (40610142)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ロボティクス / 血管内治療 / リモートサージェリー / 挿入力 / センサ / motor-sensory feedback / 脳動脈瘤 / 塞栓術 / カテーテル / ガイドワイヤー / フィードバックセンサー / リモートコントロール / IoT / 脳血管内治療 / ロボット / 高速通信 |
研究開始時の研究の概要 |
十年にわたって開発してきた血管内治療支援ロボットについていよいよ実用化の段階に入り、世界で初めての無線のリモート操作によるカテーテル手術を実現する。当初より開発してきた挿入力測定装置を組み合わせ、 ロボットの駆動による器具の先進において、センシングフィードバックを行うシステムを用い、 今後は実用化に向けて遠距離間のWifi回線やWAN回線を用いた実証を行い、動作の正確性と タイムラグの状況を検証するとともに、ハードウェアにおいて滅菌可能なシステムとし、 症例ごとに取り替え可能なコンパクトなキットを開発する。またリモート操作で遠隔地から卓越 した専門医の治療を簡単に受けられることを目標とする。
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研究実績の概要 |
ロボット操作におけるmotor-sensory feedbackが、我々の機器において安全性を担保する上で最も重要なパートである。最初に開発し使用してきた挿入力センサは,ワイヤに加わる力を利用して挿入力の測定を行う仕組みであり,ワイヤの曲げ剛性には依存せず,事前校正も不要であることは確認されている。このセンサの検出精度は0.02Nであったが,この精度を決めている主要因は,センサヘッドの内部構造に起因するヒステリシスである。そこで今回センサヘッドの内部構造を見直し,ヒステリシスを改善して精度が向上された挿入力センサを開発した。 このセンサは,ワイヤがセンサ機器の中でたわもうとする力をロードセルで測定するが、ワイヤを軸受で挟む構造を撤廃し,チューブを使用することで,ワイヤが湾曲している方向以外に動いてしまう課題を解決した。挿入力センサのヒステリシスが改善され,改善前と比較すると検出精度が0.02Nから約2倍の0.01Nに向上した。 また、使用するチューブをマイクロカテーテルにすることで滅菌処理を容易にし、実用性を向上させた。次にセンサヘッドの入口側をテーパーにすることでワイヤの取り付けを容易にし,出口側をシリンジやYコネクタが取り付けられるコネクタにすることで生理食塩水の注入を容易にした。この改善した挿入力センサを用いて血管モデルの動脈瘤へコイル充填を行ってみたが,充填の様子と挿入力が一致していることを確認された。 先行研究の課題となっていたヒステリシスを改善し,検出性能の向上が実現され、またワイヤの取り付けや滅菌処理への工夫などの実用性も大幅に改善させることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
5Gでの通信環境は以前より改善されたが、まだ通信停止などのトラブルがあり、実臨床での安全な施行には不安があり、同様の開発をしている海外企業も事故のため一旦ロボットによるカテーテル治療を中止していることから、まだ臨床における実用化についてはハードルが高いと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
我々の開発しているmotor-sensory feedback機能をさらに高めて、暴走することのない安全重視のロボット技術の開発を行っていくつもりである。
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