研究課題/領域番号 |
22K09246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 (2023) 福山大学 (2022) |
研究代表者 |
白川 真 岡山大学, 中性子医療研究センター, 助教 (40707759)
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研究分担者 |
中井 啓 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50436284)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ホウ素中性子捕捉療法 / イオン液体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、悪性脳腫瘍治療のためのホウ素中性子捕捉療法 (BNCT) に必要な薬剤開発の一環である。我々は臨床応用されているホウ素薬剤(BPA)の新たな可溶化剤としてイオン液体 (IL) に着目した。BPAを溶解させたIL (BPA-IL) に関して、各細胞種への影響、薬物動態およびBNCTを行った際の殺細胞効果と抗腫瘍効果について検証し、その治療効果改善を目指す。本研究の成果により、新規BNCT用製剤としてBPA-ILの臨床応用に道筋をつけ、BNCTが悪性脳腫瘍に対する治療の選択肢となるようにQOL (Quality of Life) の高い治療法として実現させる。
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研究実績の概要 |
2023度、合成・調製に成功した各ホウ素含有新規イオン液体(BPA in IL)を用いて、細胞毒性試験および薬物動態試験を行った。 細胞毒性試験:V79 379細胞を96well plate に24時間、CO2インキュべーターで前培養した後、各サンプルを10uLずつ加えCO2インキュべーターでさらに24時間培養した。培地を除去した後、CCK-8と培地の混合液を加えてCO2インキュベーター内で2時間培養後、プレートリーダーで450nmにおける各wellの吸光度を測定した。結果、各BPA in ILの細胞毒性(IC50)は、BPA-Fructose complexよりも極めて低いことを確認した。 薬物動態試験:担癌マウスにBPA in ILを24mg B/kg (4800ppm, 100uL/20g) で尾静注により投与後、各群において各時間 (0.25, 1, 1.5, 2, 3, 6 hour) で無作為に選出し、採血および組織 (腫瘍、肝臓、腎臓、脳、皮膚、腫瘍部位対側の筋組織、脾臓) を摘出した。さらに、灰化法 (硝酸800uLを加え、115℃で1.5時間加熱) で液状化させたものをサンプル溶液とし、ICP-AESで組織内ホウ素濃度を測定した。結果、投与直後 (15min) において腎臓にホウ素が集積することを確認した 。また、ILに溶解させたBPAは時間経過とともに腫瘍へ貯留していかないことを確認した。腫瘍内ホウ素濃度はBNCT用薬剤の目安となる25ppm以上を達成できなかったが、投与後6時間においてT/N ratio >2.5は達成した。 2024度はこれらのBPA in ILに関して、中性子線照射による殺細胞効果および抗腫瘍効果を確認する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度計画における各種実験項目(細胞毒性試験および薬物動態試験)を予定通り行い、中性子線照射によるBNCT用薬剤としての評価を行うための各BPA in ILの知見を得ることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
計画は順調に進展しており、2024年度においても計画通り進めて行くことを第一課題とする。
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