研究課題/領域番号 |
22K09261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
八幡 俊男 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (40380323)
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研究分担者 |
上羽 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00314203)
東 洋一郎 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 講師 (80380062)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膠芽腫 / がん幹細胞 / 治療抵抗性 / 加齢 / 脳腫瘍 / 腫瘍微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、膠芽腫において腫瘍微小環境を制御する治療法の開発が期待されている。本研究は、腫瘍随伴マクロファージ(TAM)とミクログリアの加齢が、膠芽腫の腫瘍微少環境やがん幹細胞へ与える影響を解明し、その影響を制御することによって膠芽腫の治療効果を向上させることを目的とする。このため、年齢の異なる膠芽腫組織におけるTAMおよびミクログリアを解析し、細胞の老化による変化が腫瘍微小環境やがん幹細胞に与える影響を検討する。さらに、膠芽腫の治療抵抗性に関わる間葉系形質の誘導(PMT)に寄与する因子を同定し、PMTを制御することにより、放射線や抗がん剤の効果を向上させる治療法を開発する。
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研究実績の概要 |
原発性脳腫瘍のうち悪性度の最も高い膠芽腫は、放射線治療や化学療法に対して強い抵抗性を示し、その一因となる腫瘍幹細胞を含んでいる。近年、腫瘍随伴マクロファージ(TAM: tumor-associated macrophage)やミクログリアが、膠芽腫幹細胞にPMT(Proneural-Mesenchymal Transition)と呼ばれる形質の転換を誘導し、治療抵抗性に影響を与えることが報告されている。 本年度は、膠芽腫幹細胞におけるPMTを制御する因子について検討をおこなった。我々は、過去にCD146遺伝子が膠芽腫幹細胞で高発現し、その発現阻害が増殖を抑制することを見出している。CD146の阻害による増殖抑制効果が低い膠芽腫幹細胞株においてsiRNAを用いてCD146遺伝子の発現を抑制すると膠芽腫幹細胞のPMTが阻害された。さらに、ゲノム編集によりCD146遺伝子をノックアウトしても同様に間葉系(Mesenchymal)タイプへの移行が強く阻害された。CD146はProneuralタイプの細胞で高発現し、膠芽腫幹細胞株によっては、Proneuralタイプから間葉系タイプに移行後、細胞集団の中で発現頻度が低下することが観察されるために間葉系タイプの状態の維持ではなく移行するためのスイッチの役割を果たしていると考えられた。 膠芽腫幹細胞におけるCD146遺伝子の情報伝達経路を同定するためにCD146ノックアウト細胞を用いてRNA sequencingをおこない、PMTの制御に関わる候補となる遺伝子群や経路を同定した。これらの結果は、膠芽腫幹細胞におけるCD146の多機能性と治療標的分子としての有用性を示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
老齢マウスの入手が困難である場合、早期に自己飼育により老齢マウスを準備することも考慮している。また、臨床サンプルを用いた解析を積極的に進めることも必要であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
膠芽腫細胞が治療に抵抗性を示す一因であるPMTを制御する遺伝子としてCD146を同定ているので、CD146の情報伝達経路上においてミクログリアやTAMを含む腫瘍微小環境と老化に関連する因子を探索する。また、老化マウスの入手後は、初年度に樹立したレポーター遺伝子を導入したマウス膠芽腫幹細胞株GL261TSの移植実験により、老化個体特有の腫瘍微小環境と膠芽腫細胞の相関関係について探索をおこなう。さらに膠芽腫患者由来の幹細胞株についても免疫不全マウスへ移植し、老化時に特徴的な炎症を薬剤投与により抑制することで腫瘍の増殖や形質に及ぼす影響について検討する。
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