研究課題/領域番号 |
22K09273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
飯島 圭哉 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 脳神経外科診療部, 医員 (10751878)
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研究分担者 |
岩崎 真樹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院, 部長 (00420018)
川内 大輔 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 病態生化学研究部, 室長 (10400996)
三輪 秀樹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神薬理研究部, 室長 (80468488)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腫瘍 / 神経 / シナプス / 電子顕微鏡 / LEAT / epileptogenesis / BRAF / BRAF V600E / てんかん |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では手術で摘出されたLEATおよび周囲の正常組織の試料を用い、腫瘍周囲の神経細胞との間のシナプティックな増幅回路の存在を明らかにすることを起点として、脳腫瘍が神経組織にてんかん原性を誘導する現象の分子基盤を解明し、LEAT患者のてんかんに対しシナプス阻害剤等の開頭術以外の低侵襲な治療法開発につなげていく。
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研究実績の概要 |
本研究は低悪性度てんかん原性腫瘍の内、特にBRAF V600E mutant LEATのヒト手術検体を用いて、脳腫瘍細胞と正常神経細胞の間に双方向性にシナプスが存在することを検証するものである。この検証結果は、脳腫瘍がてんかん発作を起こすマカニズムの一端を明らかにすることで、脳腫瘍関連てんかんの治療法に新たな可能性を見出すことができると考えている。今年度は、5人の患者から検体を採取することに成功した。まずこれらのサンプルの遺伝子解析を行い、BRAF V600E mutantの症例が2症例と、変異なしが3症例であった。これらの検体を用いて、電子顕微鏡解析を行った。電子顕微鏡解析の結果、シナプスの存在を確認することができた。現在は、これらのシナプスが腫瘍から神経へのシナプスなのか、神経から腫瘍へのシナプスなのかを解析している。これには腫瘍を識別するための抗体が上手くワークする必要があり、現在はその抗体による免疫染色の最適条件を見つけているところである。抗体はNestin抗体およびVE1抗体を使用している。また、電気生理学的な検証も同時に行っているが、手術室から研究室へ検体を運ぶ際に、細胞の状態が悪化してしまうことが判明した。今後は酸素と栄養を供給しながら手術室から研究室へと移送する方法を模索しているところである。並行してBRAF V600E mutant モデルラットを作成した。免疫染色、電気生理、行動解析を行っている、サブ解析としてこれらの腫瘍の検体のバルクRNA-seq解析を行い、シナプス関連の遺伝子の発現がコントロールに加えて有意に増加していることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた電気生理解析(パッチクランプ)が、検体移送のシステム不足のために遅延しているが、これは今年度に解決できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、これまでに得られた電子顕微鏡のデータを解析し、腫瘍から神経細胞に向かう方向のシナプスの存在を解析していく。また、手術室から研究室に移送する際に酸素と栄養を投与しながら検体を運ぶシステムを構築し、パッチクランプを行う。
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