研究課題/領域番号 |
22K09284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西原 賢在 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20452493)
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研究分担者 |
長嶋 宏明 神戸大学, 医学研究科, 助教 (00794950)
篠山 隆司 神戸大学, 医学研究科, 教授 (10379399)
藤田 祐一 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40895132)
田中 一寛 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (70467661)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | SIRPa / macrophage / sCD163 / D47 / medulloblastoma / 髄芽腫 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
脳腫瘍に浸潤するマクロファージは、CD47-SIRPαによる免疫チェックポイントや免疫抑制性M2タイプへの分化により貪食能は低下し、腫瘍の進行・悪性化に寄与している。本研究では、髄芽腫脳移植マウスモデルに対してSIRPα抗体やSIRPα結合環状ペプチドを用いてCD47-SIRPαシグナルを抑制させ、インターフェロンγ(IFNγ) などを用いてマクロファージを免疫抑制性M2タイプから免疫促進性M1タイプへ分化誘導させることによりマクロファージの貪食能を亢進させ、抗腫瘍効果を促進するか否かを検討する。なり、臨床的意義は高いものと考える。
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研究実績の概要 |
小児に好発する髄芽腫は、非常に悪性で生存期間中央値は5年ほどである。しかし、近年分子診断が発展し、4つに分類されるようになった。神戸大学脳神経外科で近年治療された髄芽腫の腫瘍組織を用いて、遺伝子発現を行い、分子診断を施行した。その結果、Wntタイプ、SHHタイプ、group3タイプと診断された。それらの組織から細胞株を樹立を試みたが、凍結組織であり、樹立不可であった。 以前の手術標本をもちいて、SIRPα、CD47の発現およびマクロファージの浸潤量を免疫染色にて確認し、共に強く染色されることを確認した。小児脳腫瘍で最も悪性な髄芽腫において、CD47-SIRPαシグナルを抑制させ、抗腫瘍効果が促進されるか否かを検討する予定であり、現在、解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最大の理由は、髄芽腫の患者さんがおらず、髄芽腫細胞を培養してcell lineを作成することが出来ていないことがあげられる。髄芽腫の患者は小児であり、申請者施設でも小児の患者を診ているが、髄芽腫自体が低下傾向であることと、小児人口が減少していることが外人と思われる。したがって、膠芽腫細胞を用いてまずは検討を行っている。 以前手術した標本での解析は終了し、SIRPaの発現、CD47の発現は解析した。マクロファージの機能について、新たにsCD163に着目しているが、髄芽腫の標本を用いて解析を進めて行く予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1)手術で摘出した組織を用いて髄芽腫細胞株を樹立し、PDXも作製する予定である。まず、髄芽腫細胞脳移植マウスにIFN-γを投与、M1/M2タイプの評価に対して、遺伝子発現解析を行い、SIRPaやCD47の発現状態を解析する。また、髄芽腫細胞脳移植マウスを作成し、形成された腫瘍組織内のマクロファージの浸潤量を測定し、SIRP1やCD47の発現について評価する。さらに、IFN-γを尾静脈より静注し、髄芽腫組織内のマクロファージのタイプの比率(M1タイプ/M2タイプ)を評価する。そして、IFN-γ投与の髄芽腫脳移植マウスに抗SIRPα抗体あるいはSIRPα結合環状ペプチドを投与して抗腫瘍効果を評価する。 2)一方、腫瘍内のマクロファージのsCD163の量と髄液中のsCD163の濃度の相関性を調べ、sCD163がCD163マクロファージ浸潤量を反映するマーカーであるかを解析する。そして、IFN-γを投与後にsCD163濃度がどのように変化するかについても解析する。
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