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骨変性部位の目印「dig-hereシグナル」を認識する破骨細胞特異的受容体の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K09305
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56020:整形外科学関連
研究機関岡山大学

研究代表者

藤田 洋史  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (20423288)

研究分担者 小渕 浩嗣  岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (10304297)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード破骨細胞 / ゲノム編集 / Dig-hereシグナル受容体 / 変性骨
研究開始時の研究の概要

超高齢化社会を迎えた日本において要介護者は人口の5%と報告されており、介護要因の大きな部分を占めるのは、骨や軟骨の疾患であることが明らかである。この社会問題の解決には、骨軟骨疾患の治療法の発展が必要である。私たちは、骨を破壊する細胞である破骨細胞の細胞表面に発現する脂質受容体に着目し、ダメージを受けた骨を認識する分子を発見することを目的としている。ゲノム編集技術や独自の人工骨組織を用いた解析により、その分子を決定する計画である。その成果より、破骨細胞による「骨吸収部位の認識」を阻害する新たな分子標的薬の開発につなげたい。

研究実績の概要

変性した骨組織を除去する機構を明らかにするために、私たちは破骨細胞が変性骨を認識する受容体を持っていると仮説を立て、その受容体の探索を行なっている。昨年度までに、候補受容体の2分子についてシングルノックアウト(KO)マウスとダブルノックアウト(DKO)マウスの樹立に成功し、破骨細胞分化への影響と骨組織の形態について明らかにしていた。
本年度は、破骨細胞の形成と機能に関する詳細な解析をin vitroで行った。その結果、候補分子AのKOは分化を促進して破骨細胞数を増加するが、破骨細胞数の増加に伴った吸収窩の増加は認められなかった。骨吸収に関わる遺伝子発現を解析した結果、候補分子AのKOは、Cathepsin KやV-ATPaseの遺伝子発現は影響を与えないことが明らかとなった。これらの結果は、破骨細胞あたりの骨吸収活性が低下していることを示唆した。
Cell image analyzerを用いた解析では、細胞内小胞輸送に関わるRab5と、lysosomeとplasma memnbraneに局在するLAMP4の発現は低下する傾向が認められた。
候補分子Aは分化と吸収の両方に関与することが明らかにすることに成功し、現在、その分子メカニズムを解明するため、解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上述のように、候補分子Aは受容体であり、骨吸収に促進的な分子であることが明らかとなった。これは、私たちが明らかにしたいと考えている、骨吸収する場所を決定して、吸収を進める分子機構の一部を説明する分子である可能性が少なくなく、大きな進展と言える。急激な骨破壊を伴う疾患モデルでのin vivo解析のデータを現在蓄積している。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り、系統樹立後の骨粗鬆症モデルとLPS骨破壊モデルの解析を行い、Dig-hereシグナル認識受容体候補分子の機能解析を順次行う予定である。また、そのほかの候補分子についてもゲノム編集によるKOマウスの作製を試行する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Protrusion of KCNJ13 Gene Knockout Retinal Pigment Epithelium Due to Oxidative Stress-Induced Cell Death2022

    • 著者名/発表者名
      Kanzaki Yuki、Fujita Hirofumi、Sato Keita、Hosokawa Mio、Matsumae Hiroshi、Morizane Yuki、Ohuchi Hideyo
    • 雑誌名

      Investigative Opthalmology & Visual Science

      巻: 63 号: 12 ページ: 29-29

    • DOI

      10.1167/iovs.63.12.29

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Cysteinyl leukotriene receptor 1 is dispensable for osteoclast differentiation and bone resorption2022

    • 著者名/発表者名
      Fujita Hirofumi、Ando Aoi、Mizusawa Yohei、Ono Mitsuaki、Hattori Takako、Habuta Munenori、Oohashi Toshitaka、Kubota Satoshi、Ohuchi Hideyo
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 17 号: 11 ページ: e0277307-e0277307

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0277307

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] C型レクチン受容体Clec4a2およびClec4dの 破骨細胞分化および機能における役割の解析2023

    • 著者名/発表者名
      藤田洋史、高橋 憲司、田井雄馬、上田悠都、大内淑代
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 網膜色素上皮細胞におけるレーバー先天黒内障16型原因遺伝子KCNJ13のノックアウトは酸化ストレス感受性を高め細胞死を誘導する2023

    • 著者名/発表者名
      藤田洋史、神﨑勇希、佐藤恵太、細川海音、松前洋、森實祐基、大内淑代
    • 学会等名
      第76回日本酸化ストレス学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 破骨細胞の分化および骨吸収におけるC型レクチン受容体Clec4a2, Clec4dの役割の解析2023

    • 著者名/発表者名
      藤田洋史、田井雄馬、大野充昭、上田悠都、大橋俊孝、大内淑代
    • 学会等名
      日本解剖学会 第77回 中国・四国支部学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] グルタチオンによる破骨細胞形成促進にシステイニルロイコトリエン受容体CysLTR1は関与しない2022

    • 著者名/発表者名
      藤田 洋史, 土生田宗憲, 服部高子, 久保田聡, 大内 淑代
    • 学会等名
      第75回日本酸化ストレス学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] C型レクチン受容体Clec4a2/Clec4d/Clec5a変異マウスの作出の検討とClec4a2の破骨細胞分化における機能の検証2022

    • 著者名/発表者名
      藤田洋史,田井雄馬,上田悠都, 大内淑代
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] CRISPR-Cas9を用いたC-type lectin receptor多重変異マウスの作製の試み-破骨細胞分化における分子機能解明を目指して-2022

    • 著者名/発表者名
      藤田洋史,田井雄馬,上田悠都, 大内淑代
    • 学会等名
      第128回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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