研究課題/領域番号 |
22K09311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
崔 賢民 横浜市立大学, 医学部, 講師 (20760888)
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研究分担者 |
稲葉 裕 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40336574)
手塚 太郎 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (70748516)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | シーケンサー / 感染 / 整形外科 / 人工関節周囲感染 / 脊椎感染 / 化膿性関節炎 / 脊椎関節炎 / 骨軟部組織感染 / 遺伝子診断 / 次世代シークエンサー / ナノポア |
研究開始時の研究の概要 |
骨軟部感染症患者に対するナノポアシーケンサーMinION MK1C による細菌同定および薬剤耐性の診断精度を明らかにする。また骨軟部感染患者において、ナノポアシーケンサーによる感染経路の解明が可能であるかについて明らかにする。薬剤耐性遺伝子を用い精度で同定することが可能であれば、難治性となることが多い細菌培養陰性症例における抗菌薬の選択への応用と治療成績の改善が見込まれる。また、感染経路について解析することで、感染巣における感染治療後の再感染の防止に貢献することが期待される。
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研究実績の概要 |
骨軟部感染は診断及び治療に難渋することの多い疾患であり、細菌培養検査では原因菌の同定が困難なことが少なくない。本研究の目的は、骨軟部感染において遺伝子診断の有用性を評価することである。本研究では、次世代シーケンサーであるナノポアシーケンサーMinION MK1Cが、細菌培養偽陰性となりやすい骨軟部感染患者において、原因菌の同定に有用かどうかを評価することである。また薬剤耐性の同定が可能かについて検証し、抗菌薬選択へ応用することと、これらの患者の内因性感染の経路の同定に使用し再感染の予防へ応用することである。 これまでに当院にて手術治療を行ってきた人工関節周囲感染 60例、小児化膿性関節炎 20例、脊椎関節炎患者60例において、DNAの抽出と16sRNA gene領域を増幅したのちにナノポアシーケンサーMinION MK1cを用いて原因菌の遺伝子診断を行なった。ナノポアシーケンサーと細菌培養検査の一致率は80-95%であり、細菌培養検査が陰性であった症例でも、ナノポアシーケンサーによる細菌の同定が可能であった。細菌性DNAの濃度に依存して診断精度の上昇が認められており、細菌性DNAをより効果的に抽出することが、ナノポアシーケンサーによる遺伝子診断と原因菌の同定に重要であることが示唆された。これらの内容については、国内の学会にて報告済みであり、今後英語論文発表を行なっていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細菌感染に対する遺伝子診断では、細菌からのDNAの抽出方法が結果を左右することを検証し論文報告を行った。当院にて手術治療を行ってきた人工関節周囲感染 60例、小児化膿性関節炎 20例、脊椎関節炎患者60例において、ナノポアシーケンサーMinION MK1cを用いて原因菌の遺伝子診断を行ない、ナノポアシーケンサーと細菌培養検査の一致率は80-95%であり、細菌培養検査が陰性であった症例でも、ナノポアシーケンサーによる細菌の同定が可能であることを検証した。
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今後の研究の推進方策 |
現在骨軟部組織患者において、皮膚常在菌、口腔内常在菌、糞便常在菌と感染巣部の菌との遺伝子相同性に関する研究を行っている。今後は対象となる患者数を増やし、精度について検証を行なっていくとともに、感染症例においてナノポアシーケンサーが陰性となる患者の特徴などについて検証を行なっていく予定である。
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