研究課題/領域番号 |
22K09313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
小田 良 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80516469)
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研究分担者 |
岸田 綱郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00370205)
素輪 善弘 自治医科大学, 医学部, 准教授 (80468264)
土田 真嗣 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10719834)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 末梢神経 / 再生医療 / 人工神経 / 脂肪由来幹細胞 / 多血小板血漿 |
研究開始時の研究の概要 |
末梢神経の再生医療には、①再生軸索の足場となるスキャフォールド、②軸索再生に重要な役割を果たすシュワン細胞や神経前駆細胞などの細胞成分、③シュワン細胞の増殖・遊走、血管新生などに関わる成長因子の3つの要素が重要となる。 ①については人工神経が臨床応用されている。われわれはこれまでに、②については脂肪由来幹細胞(ADSC)が高い神経再生効果を有することを確認し、③については多血小板血漿(PRP)が神経再生を促進する機序を解明してきた。 そこで本研究では、①~③を三位一体として用いることで治療効果を促進し、良好な神経機能の再獲得を有する新たな末梢神経再生法の開発にむけた基盤を確立する。
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研究実績の概要 |
本年度も3つの要素技術である再生軸索の足場となるスキャフォールド、軸索再生に重要な役割を果たすシュワン細胞や神経前駆細胞などの細胞成分、シュワン細胞の増殖・遊走、血管新生などに関わる成長因子を結び付けて、末梢神経再生を促進することを目的として研究を行った。多能性を確認するため、脂肪組織から脂肪由来幹細胞(adipose tissue derived stem cell、以下ADSC)を多く含むペレット(micronized cellular adipose matrix、以下MCAM)から脂肪細胞、骨芽細胞、および軟骨細胞への前年同様の方法で誘導実験を行い、神経再生効果を検討するため、人工神経のチューブ内にMCAMを充填して、免疫不全マウスの坐骨神経欠損モデルに移植した。2か月後に下腿三頭筋の筋電図を評価し、坐骨神経を採取して永久標本とし、電子顕微鏡下に再生ミエリン鞘の厚みを測定した。 走査型電子顕微鏡での所見は、吸引された脂肪組織は正常な構造を有し、脂肪細胞は細胞外繊維に均一に接着していたのに対し、MCAMでは小さな脂質滴を含む脂肪細胞はわずかであった。アディナイザーを用いた微粉化機械的処理によって、小さな新しい脂肪細胞や間質細胞が細胞外マトリックスから分離され、大きな成熟脂肪細胞の含量が減少したことを明らかにした。 神経のgap間に新たに再生した神経組織像では、ANCの中心部の崩壊と縮小が認められた対照群よりも、MCAM群の方がより強固な架橋が生成しており、MCAM群とSVF群との間に明確な差は認められなかった。再生した架橋神経束は、MCAM群とSVF群で同じ太さと密度であった。MCAM群における腓腹筋のピークCMAPは、コントロール群よりも有意に大きく(P = 0.031)、SVF群では同程度であった(P = 0.510)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定どおりin vivoの実験結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度も引き続き多能性と神経再生誘導能につき多角的に検証する予定としている。
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