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骨組織における老化細胞特異的分泌因子を標的にした抗加齢メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K09318
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56020:整形外科学関連
研究機関松本歯科大学

研究代表者

石田 昌義  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (50643251)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード老化 / 骨粗鬆症 / 老化関連分泌因子 / 慢性炎症
研究開始時の研究の概要

骨粗鬆症及び脆弱性骨折患者数は、今日の超高齢社会に到来を受けて増加の一途を辿っており、医療経済的な面からもその対策は喫緊の課題となっている。加齢とともに生体内に老化細胞が増えると老化細胞から分泌されるSASPと呼ばれる物質を介して周囲の組織に慢性炎症を引き起こしていると考えられる。このため、間葉系幹細胞の老化によって分泌される新しい骨芽細胞分化抑制因子を同定し、さらには、その液性因子が骨粗鬆症の病態形成の責任因子であるかを明らかにする。

研究実績の概要

加齢に伴い骨粗鬆症の罹患数が増加するが、その根本原因となる細胞・分子メカニズムはまだ不明である。細胞老化を起こした細胞からは、様々な液性因子が分泌されSenescence-associated secretory phenotype(SASP)と呼ばれる現象を起こす。このため、加齢とともに生体内に老化細胞が増えるとSASP 因子を介して慢性炎症や発がんが引き起こされていると考えられる。高齢者の骨組織中では老化細胞が蓄積し、SASPにより骨芽細胞分化を抑制することにより骨量減少が引き起こされるのではないかと仮説を立てて、実験を行った。
まず、マウス骨髄由来間葉系幹細胞株ST2細胞を55回以上繰り返し継代し、細胞老化を人為的に誘導した。継代過多(Late passage、 略してLP)-ST2細胞では、継代を重ねない(Early passage、 略してEP)-ST2細胞と比べてALP活性や石灰化能が低下していた。LP-ST2細胞の培養上清を介してWnt3aに対する骨芽細胞分化が強く抑制されていたことから、骨芽細胞分化を抑制する液性因子の探索をWnt/βカテニンシグナル阻害因子に絞り網羅的に解析したところ、Dkk1発現がEP-ST2細胞に比べて驚くほど高く増加していた。EP-ST2細胞にIFN-βを添加するとDkk1の発現上昇が観察されたことから、IFNがDkk1発現を誘導していることが示唆された。老齢マウスにおいても血中Dkk1量と骨組織中のDkk1陽性細胞数増加が若齢マウスに比べて顕著に増加していた。
以上より、細胞老化が引き起こされるとDkk1が分泌され、骨芽細胞分化を抑制していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細胞老化を誘導した間葉系幹細胞株を用いた試験管内での解析はほぼ終了し、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

試験管内での老化細胞を用いた解析は、ほぼ完了したので、今後は、老齢マウスや人為的に老化を誘導したマウスを用いたin vivoでの解析を推進する予定である。標的となる液性因子に対する中和抗体を入手し老齢マウスに投与した際の効果を検討する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] 【最新の骨粗鬆症学 (第2版) -骨粗鬆症学の最新知見-】骨研究フロンティア 骨を構成する細胞の分化と機能 破骨細胞.2023

    • 著者名/発表者名
      小林泰浩, 岩本莉奈, 石田昌義, 小出雅則
    • 雑誌名

      日本臨床

      巻: 81 ページ: 106-110

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Role of peripheral myelin protein 22 in chronic exercise‐induced interactions of muscle and bone in mice2022

    • 著者名/発表者名
      Kawaguchi Miku、Kawao Naoyuki、Muratani Masafumi、Takafuji Yoshimasa、Ishida Masayoshi、Kinoshita Yuko、Takada Yuto、Mizukami Yuya、Ohira Takashi、Kaji Hiroshi
    • 雑誌名

      Journal of Cellular Physiology

      巻: - 号: 5 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1002/jcp.30706

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 老化間葉系幹細胞はcGAS-STING経路を介してDkk1を分泌し骨芽細胞分化を抑制する2024

    • 著者名/発表者名
      石田 昌義、岩本 莉奈、高橋 拓実、何 治鋒、宇田川 信之、小林 泰浩
    • 学会等名
      第8回日本骨免疫学会ウインタースクール
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 老化間葉系幹細胞はcGAS-STING経路を介してDkk1を分泌し骨芽細胞分化を抑制する2023

    • 著者名/発表者名
      石田昌義、岩本莉奈、高橋拓実、何 治鋒、宇田川信之、小林泰浩
    • 学会等名
      第8回日本骨免疫学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 血管内皮細胞RANKは加齢に伴う骨喪失及び骨髄老化に寄与する2023

    • 著者名/発表者名
      岩本莉奈、高橋拓実、石田昌義、何 治鋒、宇田川信之、小林泰浩
    • 学会等名
      第8回日本骨免疫学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 血管内皮細胞RANKは加齢に伴う骨喪失及び骨髄老化に寄与する2023

    • 著者名/発表者名
      岩本莉奈、高橋拓実、石田昌義、何 治鋒、宇田川信之、小林泰浩
    • 学会等名
      第41回日本骨代謝学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 老化間葉系幹細胞はcGAS-STING経路を介してDkk1を分泌し骨芽細胞分化を抑制する2023

    • 著者名/発表者名
      石田昌義、岩本莉奈、高橋拓実、何 治鋒、宇田川信之、小林泰浩
    • 学会等名
      第5回オーラルサイエンス研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 老化間葉系幹細胞はDkk1を分泌し骨芽細胞分化を抑制する2023

    • 著者名/発表者名
      石田昌義、岩本莉奈、宇田川信之、小林泰浩
    • 学会等名
      第7回日本骨免疫学会冬期学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 老化間葉系幹細胞はDkk1を分泌し骨芽細胞分化を抑制する2022

    • 著者名/発表者名
      石田昌義、松井龍一、岩本莉奈、宇田川信之、小林泰浩
    • 学会等名
      第7回日本骨免疫学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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