研究課題/領域番号 |
22K09334
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小関 弘展 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (70457571)
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研究分担者 |
尾崎 誠 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (20380959)
今井 智恵子 (野口智恵子) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (90746653)
朝永 育 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (10972622)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 不動 / 骨萎縮 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の活動性低下(不動)による脆弱性骨折は,疼痛などの苦痛だけでなく,生活の質の低下,生命的予後の短縮の原因となる。本研究の目的は,ラット後肢不動化モデルを用いてベルト電極式骨格筋電気刺激装置および栄養・薬剤・外固定の方法・運動療法といった対策の有用性を生理学的および構造力学的見地からin vivoで評価し,有効な骨萎縮の予防策および治療戦略の確立を試みることである。血液学的分析,各種免疫染色による組織学的解析に加え,骨微細構造の解析にはマイクロCTによる皮質骨と海綿骨の3次元構造に関する種々のパラメータを計測し,機械的破断強度は精密万能試験機を用いた3点曲げ強度,圧縮強度を測定する。
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研究実績の概要 |
2022年度は「不動性骨萎縮の病態解明」というテーマを掲げ、①外固定期間(1~12週)における体重,血液検査,骨代謝マーカーの推移を計測、②大腿骨骨幹端部(海綿骨)と骨幹部(皮質骨)のmicro-CT項目値による骨微細構造解析、③大腿骨の長さ,周囲径,骨密度,相対重量比を計測後,機械的強度を評価するという手順で行った。8週齢のSPF Wistar系ラットを飼育し、3種混合麻酔の腹腔内投与(塩酸メデトミジン・ミダゾラム・酒石酸ブトルファノール)による全身麻酔下に,膝関節上部から前足部まで両側の後肢をギプス固定した。後肢の股関節の可動性と下肢への荷重を許容できるようにし、飼育室の照明は12時間ごとに明暗をコントロールし,室温は25±1℃,湿度は50%に維持した。ギプスの緩みや浮腫,血行障害を回避するため,2日毎にギプスを巻き直した。各固定期間終了後,安楽死させ,両側の後肢を周囲の軟部組織とともに一塊として採取した。 2023年3月31日時点で,120個の検体試料を採取し,大腿骨骨幹端部海綿骨と骨幹部皮質骨のmicro-CT項目値の推移をモニターした。その結果,外固定1週後には大腿骨の成長が阻害され,2週後には既に皮質骨,海綿骨ともに構造学的破壊が進行していることが判明した。2023年度は,コントロール群との統計学的比較・検討を進める。また,大腿骨長と周囲径を計測し,3点曲げ試験(最大曲げ強度,最終破断強度),圧縮強度試験(初期圧壊強度,最終圧潰強度)の結果を集計して,適宜全国規模の学会で発表を予定している。さらに,micro-CT値の3次元構造トルク値との相関分析を行う予定である。2022年4月~2023年3月までの期間における学会演題発表は10回であり,論文掲載は6編(その内英字論文2編)である。現在,英字論文3編を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
①外固定期間(1~12週)における体重,血液検査,骨代謝マーカーの推移を計測、②大腿骨骨幹端部(海綿骨)と骨幹部(皮質骨)のmicro-CT項目値による骨微細構造解析、③大腿骨の長さ,周囲径,骨密度,相対重量比を計測後,機械的強度を評価する3項目のデータ取集が6割程度にとどまっている。新型コロナウイルス感染による納品の遅れと材料費の高騰が大きく影響しており、安全で安価な購入先と流通経路を模索している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、B-SES介入実験を行う予定である。2022年度の研究結果をもとに、筋肉および骨組織へ影響を及ぼさない範囲での最大電気刺激条件の探索、B-SES介入の有無による骨密度、骨微細構造パラメータ、機械的骨強度の計測、さらには組織学・組織化学・免疫組織化学的手法による分子生物学的解析を進める予定である。
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