研究課題/領域番号 |
22K09338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
沼野 智一 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (10399511)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | MRE / MR elastography / MRエラストグラフィ / Elastography / エラストグラフィ / 腰痛 / 非特異的腰痛 / 慢性腰痛 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では非特異的腰痛の診断を可能にする新しい画像診断技術を開発する。非特異的腰痛原因の諸説に大腰筋や脊柱起立筋群の「持続性収縮」がある。MRエラストグラフィ(MRE)では MRIを利用して局所弾性率を反映させた弾性率画像(Elastogram)を得ることができるので、「持続性収縮」を定量的に評価できる可能性がある。本研究によって開発する新しい大腰筋MRE技術は非特異的腰痛の新しいバイオマーカーに発展する可能性がある。
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研究実績の概要 |
MR Elastography(MRE)とは生体内部を伝わる伝播波をMR位相画像上に可視化し、可視化した伝播波画像(Wave Image)の局所波長から定量的な硬さ画像(Elastogram)を求める「一連の撮像と画像処理」を指す。原因が特定できない腰痛(非特異的腰痛)の原因の1つに「大腰筋の持続性収縮」が示唆されてきたが、大腰筋は触診が困難なので、それを客観的に実証できなかった。そこで、MREを大腰筋に適用し、非特異的腰痛を評価できる新しい画像診断技術を開発した(Magn.Reson.Imaging 2019;63:85-92, Applied Magn. Reson.2021;52:157-168)。 本邦の実臨床で利用されているMREは肝臓を対象にした肝MREのみである。MREはMRIで撮像した画像データからWave Imageを作成し、これからElastogramを算出するが、算出の課程で入力する画像処理パラメータによってその結果が変化することがわかった。実臨床で利用されている肝MREでは前述の画像処理パラメータが肝臓用にチューニングされており、またユーザーのパラメータ変更を認めていないので、大腰筋MREに合わせた「適切な画像処理パラメータ」がなされていない可能性がある。このような背景を元に、申請者らはMRE画像処理アプリケーションを開発(Magn.Reson.in Med.Sciences 2023;Published Online:April)し、大腰筋MREに合わせた「画像処理パラメータ」でElastogramを算出できるシステムを構築した。さらに、このアプリケーションを広く利用してもらえるよう、登録者に無償で提供している。 適切な画像処理パラメータによって解析できる環境が整ったことによって、大腰筋MREの解析精度が更に向上したと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者が進めるMRE技術開発はMRI製造メーカから独立した独自技術によるものであり、申請者のペースで研究・開発を進めることができる。これが「おおむね順調に進展している」理由だと考えられる。仮に申請者施設が管理するMRI装置の長期間故障があったとしても,申請者が研究・開発を進めるMREシステムはどんなMRI装置にもMREを後付げすることができるシステムなので、他の研究施設が管理するMRI装置でも研究を継続できる。実際には、申請者施設が管理するMRI装置は教育備品(診療放射線技師養成所指定規則に準ずる)であるため、故障時には優先的に修理・修復される備品であり、長期間の故障による障害は発生しにくい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は技術的な開発が完了しつつある大腰筋MREを用いて、多数の被検者を対象にしたボランティアスタディを実施する。大腰筋の硬さを定量的に計測した報告が世界的にみてもこれまでにないので、我々のスタディが初の試みになる可能性が高い。まずは、健常者の一般的な大腰筋の硬さを評価する。この「標準的な大腰筋の硬さ」が測定されない限り、その後に続く非特異的腰痛患者の大腰筋硬さ測定値との比較ができない。よって、精度の高い「標準的な大腰筋の硬さ」を得るためには、多くの健常被検者での測定が必要になる。
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