研究課題/領域番号 |
22K09342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
内藤 聖人 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70646760)
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研究分担者 |
上野 祐司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00349002)
窪田 大介 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70638197)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | REST / 軸索再生マーカー / GAP43 / GP130 / 絞扼性神経障害 / 転写調節因子REST / 軸索再生 / 加齢 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、RESTの転写調節因子としての多機能性に注目し、RESTの関与する軸索再生機構を網羅的に探索し、加齢による軸索再生能力低下の病態解明と、軸索再生を標的とした新たな治療法を開発することである。研究期間内に、①神経細胞株を用いたRESTの機能解析と軸索再生シグナル伝達の解明、②REST関連遺伝子の網羅的発現解析と新規治療標的の探索、③生体内におけるREST発現の検証と新規治療法の検討、を行う。本研究はRESTの多機能性に着目した新たな視点で末梢神経の軸索再生能力低下の病態を解明する独自性の高いものであり、それを制御した治療薬は絞扼性神経障害の機能回復の促進効果が期待できる。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、転写調節因子REST(RE1-silencing transcription factor)に着目し、加齢にともなう末梢神経軸索再生能力低下の病態解明を目的に研究を進めている。 線維芽細胞株NIH-3T3を用いてRESTプラスミドでREST高発現細胞(REST-OE)とsiRNAでREST発現抑制細胞(siREST)を作製した。これらの細胞におけるGAP43発現に関わるJAK1/STAT3経路の分子発現を調査したところ、RESTはGP130発現を介してJAK1/STST3経路による軸索再生を制御していることが示唆された。 そこで、GP130アゴニストであるGa1の軸索再生に対する効果をin vitroおよびin vivoで解析した結果、Ga1を投与することで末梢神経軸索再生が促進することがわかった。 以上より、RESTがGP130を介したJAK1/STAT3経路による軸索再生を制御することが示唆された。また、GP130アゴニストを投与することでin vitroおよびin vivoでともにGAP43発現が亢進したことから、GP130は軸索再生における治療標的となりうる可能性が示唆された。 次年度では、GP130発現に関与する化合物を探索し、それらの化合物の軸索再生効果をin vitroおよびin vivoにおいて網羅的に解析することにより、加齢にともなう末梢神経軸索再生能力低下の新規治療薬を探索する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、加齢にともなう末梢神経軸索再生能力低下の病態にGP130が関与する、という新たな知見を見出した。次年度では、臨床応用を目的として、GP130に関連する化合物を探索し、軸索再生に対する影響を解析する準備を進めている。 以上より、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
GP130発現に関与する化合物を探索し、それらの化合物の軸索再生効果をin vitroおよびin vivoにおいて網羅的に解析することにより、加齢にともなう末梢神経軸索再生能力低下の新規治療薬を探索する予定である。さらに、野生型マウスの神経障害モデルを用いた小分子化合物の軸索再生新規治療法としての有用性につ いて検討を行う実験についての準備も進めていく予定である。
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