研究課題/領域番号 |
22K09345
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
黒瀬 理恵 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (30423990)
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研究分担者 |
澤井 高志 東北大学, 医学系研究科, 学術研究員 (00125577)
佐藤 孝 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20170756)
黒瀬 顕 弘前大学, 医学研究科, 教授 (70244910)
石橋 恭之 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80292142)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 関節リウマチ / 滑膜組織 / CD14 |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ滑膜組織に存在するCD14+樹状形細胞は、これまでの電子顕微鏡を用いた研究の結果、リンパ球や形質細胞と密接に関連し、関節リウマチの病態に関与していると考えられている。しかしこの細胞の起源や機能については未だ不明である。本研究では、CD14+樹状形細胞の起源、および関節リウマチの発症早期から慢性化に至る過程においてどのように病態形成に関与していくのかを解明する。
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研究実績の概要 |
病理組織学的に関節リウマチの滑膜組織では、滑膜組織の絨毛状増殖や滑膜細胞の多層化、新生血管の増生、リンパ球や好中球、マクファージ、紡錘形線維芽細胞といった様々な免疫細胞が多数みられることから、関節リウマチの炎症は滑膜組織から生じると考えられてきた。 我々の電子顕微鏡を用いた研究の結果では、滑膜組織の中で線維芽細胞様滑膜細胞がCD14+で樹状様に枝分かれした細胞形態を示し、リンパ球や形質細胞と密接に関連していた。免疫組織学的染色では、CD14+樹状形細胞はHLA-DR+で、一部の細胞はCD68+であった。さらにほぼ全ての細胞がビメンチン+を示した。以上から関節リウマチ滑膜組織にみられるCD14+樹状形細胞は、免疫応答細胞、貪食細胞、さらに間葉系細胞といった非常にユニークな性質をもっていることが示唆された。 関節リウマチ滑膜組織の血管周囲にみられるCD14+樹状形細胞は,CD14+を示すと同時にCD90+を示していた。また関節リウマチの骨髄の免疫組織学的染色、CD14+樹状形細胞が分化培養をするとCD83+、HLA-DR+細胞が増加することから、関節リウマチ滑膜組織のCD14+樹状形細胞は,骨髄由来で循環血液を経由して滑膜組織に拡がり樹状前駆細胞となり、関節リウマチの病態形成に関与しているのではないかと考えられた。 CD14+樹状形細胞に着目して、この細胞の起源を明らかにし関節リウマチの病態形成にどのように関与していくのかを超微形態学的な視点も交えて解明することで、関節リウマチの病態に迫る。また本研究の発展は、将来的に関節リウマチの発症予測因子の開発や細胞を標的とした治療法の開発につながる可能性があると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の遂行には、関節リウマチの組織が必要であるが、近年の薬物療法の発展によって疾患活動性が低く研究に適したサンプルが少ないことや手術自体が減少しておりサンプル採取が困難になっていることが、研究がやや遅れている原因と考えている。今後もサンプルを集積していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
CD14+樹状形細胞による関節リウマチの病態形成、炎症慢性化へのメカニズムについて今後さらに追求していく予定である。具体的には、電子顕微鏡による病態形成、さらにCD14+樹状形細胞の機能について、リンパ球活性化能の検討や分化させた樹状前駆細胞の機能などについて検討を進める予定である。
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