研究課題/領域番号 |
22K09346
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木村 健一 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 助教 (50633153)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 細胞系譜 / 血管内皮細胞 / 骨修復 / 細胞系譜解析 |
研究開始時の研究の概要 |
間葉系幹細胞 (MSCs) は、再生医療のツールとして骨疾患治療への実用化に向けた研究が進んでいるが、治療の有効性や作用機序が不明確である。そのため、MSCsの局在と作用を制御するニッチを理解することは、MSCsの生体内の機能解明につながり、安全で効果的な治療法確立へ貢献できると考える。本研究では、アデノシン生成に寄与するCD73が、骨髄のMSCsと類洞血管内皮細胞 (SECs) に発現する知見に基づき、CD73発現細胞の骨髄ニッチの形成とリモデリング機構を明らかにし、CD73を介したアデノシンシグナルが幹細胞やニッチ形成に与える影響を解明する。
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研究実績の概要 |
間葉系幹細胞 (MSCs) は、再生医療のツールとして骨疾患治療への実用化に向けた研究が進んでいるが、治療の有効性や作用機序が不明確である。そのため、MSCsの局在と作用を制御するニッチを理解することは、MSCsの生体内の機能解明につながり、安全で効果的な治療法確立へ貢献できると考える。本研究では、アデノシン生成に寄与するCD73が、骨髄のMSCsと類洞血管内皮細胞 (SECs) に発現する知見に基づき、CD73発現細胞の骨髄ニッチの形成とリモデリング機構を明らかにし、CD73を介したアデノシンシグナルが幹細胞やニッチ形成に与える影響を解明する。 本年度も引き続きレポーターマウスを用いたCD73陽性細胞の系譜解析を行った。胎生期から成体期におけるタモキシフェン投与によって、CD73陽性細胞の発現時期を特定できた。その後の追跡によって、成体期において骨細胞へと分化している様子が確認されたことから、下肢骨の形成に寄与することが明らかとなった。加えて、CD73陽性細胞は軟骨組織に多く存在が確認された。そのため、軟骨組織形成に関して解析すると、胎生期の一次内軟骨骨化後期にそれらの細胞は出現し、成長と共に関節軟骨表面中心部へと遊走し、軟骨表面を広く覆うことが明らかとなった。これらの標識細胞は成体期までその存在が維持され、関節軟骨形成に寄与していることが明らかとなった。しかし、成長板付近の軟骨細胞には標識細胞はほとんど確認されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作製したマウスの段階的なタモキシフェン投与により、CD73陽性細胞の発生時期、部位を特定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は免疫染色、遺伝子発現解析などにより、更なる細胞種の特定、他の間葉系幹細胞系譜モデルとの比較検討を行う。三次元的な局在をライトシート顕微鏡・共焦点顕微鏡によって明らかにしていく予定である。また、CD73KOマウスを用いた解析から、アデノシンシグナルと骨軟骨組織の関連を明らかにする予定である。加えて、関節部位に多くのCD73陽性細胞が局在していたことから、変形性関節症モデルを作成し、標識細胞が軟骨変性、リモデリングにどのように関わっていくか解析する予定である。
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