研究課題/領域番号 |
22K09352
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小川 寛恭 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (70464104)
|
研究分担者 |
秋山 治彦 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60402830)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | PLCG1 / PLCG2 / 変形性関節症 / DMOADs / カルシウムシグナル / 変形性膝関節症 / ホスホリパーゼC / 病態修飾性治療薬 / MMP13 / 軟骨細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
Phospholipase Cγ (PLCγ)は軟骨変性作用を有するMatrix Metalloproteinase 13 (MMP13)を抑制し、 軟骨保護作用を有するLubricin (Prg4)の発現を促進することから変形性関節症の理想的な治 療標的分子の候補である。本研究では、PLCγによるCa2+シグナルを軸とした軟骨代謝を制御機構およびPLCγと軟骨変性及び軟骨細胞の分化・肥大化との関連性を明らかにすることに よって、PLCγを標的とした低分子化合物の病態修飾性変形性関節症治療薬の開発基盤を構築する。
|
研究実績の概要 |
Plcg1-2の軟骨変性における機能を解析し、変形性関節症の治療標的となるかを明らかに治療薬の開発に繋げることが本研究の目的。Plcg1 floxed mice, Plcg2 floxed miceを入手し、各種Creマウスと交配中で、予定通り2023年度からin vivo解析が行えるため、変型せ関節症の治療に直結する実験を行う準備が整うことができた。2023年度よりこれらcKOマウス及び初代軟骨細胞を用いてPlcg1,2の軟骨変性における機能を解析する。 ヒト及びマウス軟骨細胞実験ではIL1bがPlcg1を介したCaシグナル活性化によりカタボリックファクターの発現が促進される一方、アナボリックファクターの発現が抑制されることが明らかとなった。一方、Plcg2は機能していないことが明らかとなった。さらに、同実験系で軟骨細胞におけるPlcg1阻害はカタボリックファクター抑制及びアナボリックファクター促進し軟骨保護効果を発揮することを確認した。軟骨細胞ではPlcg1のみが機能しているため軟骨変性の治療標的としてはPlcg1のみで良いことが明らかになった。 SOCEの発動は細胞実験で確認することができた。また、このSOCE発動にはPlcg1、STIM, Ora1が関与していることを明らかにした。Plcg-1, -2を同時に阻害するDMOADs候補薬剤をスクリーニングを行う予定であるが、低分子化合物の標的となるPlcg1とPlcg2の共通構造を現在細胞実験で遺伝子組み換えプラスミド実験で確認中。確認出来次第、Plcg-1,-2の共通した標的構造に結合してPlcg-1,-2の活性化を阻害する程分子化合物のスクリーニングを行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の実験結果から、軟骨細胞のカタボリックファクターおよびアナボリックファクターの制御にPlcg1が関与することが明らかとなった。さらにPlcg1疎外によりSOCEが発動され軟骨保護効果が発揮されることが明となったことから、Plcg1は変形性関節症の治療標的となることを確認できた。Plcg-1,-2floxマウスも予定通り入手できたため、2023年度から予定通りin vivo解析を進める準備が整った。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度から予定どおりPlcg-1,-2cKOマウスの解析とこれらの初代軟骨細胞実験を行う。 軟骨細胞で2APBを添加して小胞体Caシグナルを抑制してパスウェイ解析を行う予定であったが、Plcg1、カルシウムを操作する細胞実験で2APB添加とPlcg1疎外ではシグナル変化が異なることが明らかとなったため、パスウェイ解析は現在繁殖中のPlcg1 cKOマウスの初代軟骨細胞を使用して2023年度に行うこととした。
|