研究課題/領域番号 |
22K09356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
宮澤 慎一 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (90614925)
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研究分担者 |
中田 英二 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10649304)
尾崎 敏文 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40294459)
高尾 知佳 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (40612429)
山田 大祐 岡山大学, 医歯薬学域, 研究准教授 (50733680)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 軟骨再生 / 変形性関節症 / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
膝関節の軟骨欠損は外傷や変形性関節症などが原因となり、患者数も多い。現在軟骨再生を促進する軟骨再生製品が開発されつつあるが、現時点ではこの臨床ニーズに即した再生医療方法は確立されていない。研究代表者らは、ヒト多能性幹細胞(ES細胞/iPS細胞)を用いて、高い軟骨分化指向性を有し、拡大培養可能で、前向き品質管理が可能なヒト軟骨前駆細胞を大量に調整する技術を開発することと、開発したヒト軟骨前駆細胞を細胞源とし、「球状」の軟骨組織の作製に成功した。本課題では、「シート状」「ペースト状」「懸濁状」の3種類の形状の軟骨組織のモダリティを開発し、膝軟骨欠損モデル動物に移植して有効性を確認することとした。
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研究実績の概要 |
膝関節の軟骨欠損は外傷や変形性関節症など様々な疾患が原因となり、患者数も多い。人工関節を回避するため、軟骨再生を促進する軟骨再生製品が開発されつつある。しかし、現時点ではこの臨床ニーズに即した再生医療方法は確立されていない。申請者らは、ヒト多能性幹細胞(ES細胞/iPS細胞)を用いて、高い軟骨分化指向性を有し、拡大培養可能で、前向き品質管理が可能なヒト軟骨前駆細胞を大量に調整する技術を開発することに成功し、多様なモダリティを有する軟骨再生移植素材を開発する準備を整えた。また、開発したヒト軟骨前駆細胞を細胞源とし、球状の軟骨組織の作成に成功した。そこで、本課題では、まずシート状の形状の軟骨組織のモダリティを開発し、膝軟骨欠損モデル動物に移植して有効性を確認することとした。 ヒト軟骨前駆細胞の準備:ヒトiPS細胞株3種を、Primitive streak誘導培地にて1日処理後、側板中胚葉誘導培地にて1日処理し、肢芽間葉系細胞(=ヒト軟骨前駆細胞)へ誘導させた。5-6継代培養し、細胞ストックを各ロットにて10本準備した。各ロットのヒト軟骨前駆細胞の品質(軟骨形成能の前向き評価)は、(1)特定のCD抗原の発現(CD90陽性CD140B陽性CD82陰性)と、(2)2/3次元培養による軟骨細胞分化能・球状組織塊の軟骨組織の形成能より評価した。 シート状の移植用素材の作製:ヒト軟骨前駆細胞を、温度感受性シート(CellSeed社)に播種し、軟骨分化誘導培地にて処理することにより成熟軟骨細胞シートを得た。この際、播種細胞密度や、分化誘導培地処理期間を検討する。性状は、AlcianBlue/SafraninO染色による組織解析や、Collagen IIやAggrecanの免疫染色/qPCRにより確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト軟骨前駆細胞の準備:ヒトiPS細胞株3種(414C2, HPS1042, 771-3G, CiRA HLAホモドナー株)を、Primitive streak誘導培地にて1日処理後、側板中胚葉誘導培地にて1日処理した。この後、CHIR(GSK3b inhibitor)、A83-01(ALK5 inhibitor)、FGF2にて処理することで、肢芽間葉系細胞(=ヒト軟骨前駆細胞)へ誘導させた。5-6継代培養し、細胞ストックを各ロットにて10本準備した。各ロットのヒト軟骨前駆細胞の品質(軟骨形成能の前向き評価)は、(1)特定のCD抗原の発現(CD90陽性CD140B陽性CD82陰性)と、(2)2/3次元培養による軟骨細胞分化能・球状組織塊の軟骨組織の形成能より評価した。 シート状の移植用素材の作製:ヒト軟骨前駆細胞を、温度感受性シート(CellSeed社)に播種し、軟骨分化誘導培地(bone morphogenetic protein 4, Transforming Growth Factor-β, Growth Differentiation Factor 5)にて処理することにより成熟軟骨細胞シートを得た。この際、播種細胞密度や、分化誘導培地処理期間を検討する。性状は、AlcianBlue/SafraninO染色による組織解析や、Collagen IIやAggrecanの免疫染色/qPCRにより確認した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、移植用素材の移植を行う。免疫不全SCIDラット(F344-Il2rgem1Iexas)の膝軟骨欠損部(直径1 mm、深さ0.5mm)、あるいはウサギ(タクロリムス投与)の膝軟骨欠損部(直径3 mm、深さ1mm)に、各モダリティの移植用素材を移植する。移植3-6か月後に移植組織体の性状・ホスト側組織との適合性を確認する。移植したヒト軟骨前駆細胞/軟骨組織体を組織学的観察(硝子軟骨マーカーであるSafranin O染色や、Type II collagen/Type X collagen/PRG4などの軟骨組織マーカーの免疫染色)を実施する。また、ヒト核抗原抗体を使用した染色を実施することで、移植体(ヒト由来)とホスト側軟骨組織との適合性/連続性について確認する。
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