研究課題/領域番号 |
22K09359
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤原 稔史 九州大学, 大学病院, 助教 (20644800)
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研究分担者 |
杉山 悟郎 九州大学, 歯学研究院, 助教 (00722828)
松本 嘉寛 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10346794)
遠藤 誠 九州大学, 大学病院, 講師 (40713433)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 破骨細胞 / メタロチオネイン / 活性酸素 / 亜鉛 / 骨粗鬆症 |
研究開始時の研究の概要 |
破骨細胞分化に金属イオンが必須であり、鉄イオンに着目して、細胞内鉄代謝の制御機構を解明した。そこで、破骨細胞における金属イオン代謝を標的とする治療開発のために、金属結合蛋白であるメタロチオネイン(MT)に着目する。破骨細胞分化に従ってMTのアイソフォームのMT1とMT3の発現が増加することを見出し、発現が高いMT3遺伝子ノックダウンで破骨細胞分化は抑制された。MTが制御する新たな破骨細胞分化と骨吸収能機構を、①臨床の骨組織におけるMT発現、②in vitroによる破骨細胞内シグナル解析と③in vivoによるノックアウトマウスの骨量・骨組織を解析し、MTを制御する骨粗鬆症治療開発を目指す。
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研究実績の概要 |
破骨細胞分化と機能において金属イオンの代謝が非常に重要であり、金属イオン結合蛋白のメタロチオネイン(MT)の役割について調べた。破骨細胞は分化に従ってMT1~3のmRNAとタンパクの発現が上昇しており、特にMT3の発現が著しく上昇していた。そこでMT3に着目し、レンチウィルスを用いてMT3をノックダウンすると破骨細胞分化は抑制されていた(タンパク、mRNA、TRAP染色)。骨の上に破骨細胞を培養すると、骨吸収機能も低下していた。 MT3ノックダウンによる破骨細胞分化抑制機構を調べるためにRANKLとM-CSFシグナルを調べた。M-CSFとRANKL培養で前破骨細胞に誘導し、この細胞に対してM-CSFとRANKLシグナルをそれぞれ調べると、AKTとERKシグナルは変化なかったが、分化と生存に重要なRANKLシグナルのJNKとNFkBシグナルがノックダウン細胞で低下していた。MT3は細胞内の金属イオンの中でも特に亜鉛に重要である。そこで、細胞内の亜鉛の代謝を免疫染色で調べると、ノックダウンで亜鉛代謝が抑制され、細胞内の亜鉛の量が増加していた。細胞内活性酸素が低下することで破骨細胞分化が抑制されていた。細胞内の亜鉛濃度が増加し、NRF2が増加することで、活性酸素が低下し、PGC1βというミトコンドリア制御因子の発現が低下することで破骨細胞分化は抑制されていたことを免疫染色とウェスタンブロットで確認した。 MT3を制御するような薬剤開発や、今後は他のMT1と2の役割について解析を続ける予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メタロチオネイン3の破骨細胞における制御機構がin vitroで解明されたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後はin vivoでの研究やメタロチオネイン1と2についても制御機構を解明していく。特にメタロチオネイン1と2は炎症性破骨細胞という関節リウマチや悪性腫瘍などで骨を溶かす役割を持つ破骨細胞分化に影響している可能性があり、こちらの制御は関節リウマチや悪性腫瘍などに対する治療に繋がる可能性がある。
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