研究課題/領域番号 |
22K09366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
仲谷 照代 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 准教授 (20342933)
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研究分担者 |
辻 邦和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任教授 (20323694)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | MEF2C / RankL / 閉経後骨粗鬆症 / 骨髄 / 骨細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症の大きな要因は加齢であるが、特に閉経後女性の骨粗鬆症の有症率は男性に比べて多くなる。閉経によりエストロゲン分泌が低下することにより破骨細胞(骨を壊す;骨吸収)の働きが過剰に活性化し、骨芽細胞(骨を生成する)の働きを上回り骨密度が低下するためである。しかし、閉経によってどのように破骨細胞が活性化されるのか、その詳細なメカニズムは明らかとなっていない。 本研究では、骨髄もしくは骨細胞内でのMEF2Cが閉経後の破骨細胞分化誘導に関与しているのか否か明らかにすることを目的とする。本研究によって、MEF2Cの新たな役割の解明のみならず新規閉経後骨粗鬆症予防・治療の応用に繋がることが期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、閉経に伴うエストロゲン低下が骨細胞または骨髄MEF2C増加を引き起こすことにより、Rankl発現が増加し、破骨細胞の活性化、また骨髄内脂肪、骨形成バランスに影響を与え、骨粗鬆症へと導くという研究仮説を検証するため、マウス骨髄由来間葉系幹細胞(ST2)からの脂肪細胞分化誘導系を用いた機能解析、また骨細胞特異的Mef2cノックアウトマウスの卵巣を摘出することにより閉経後骨粗鬆症モデルとなるマウス(OVX)を用いた機能解析、骨表現型の解析を行う。 1.骨髄MEF2Cが破骨、脂肪、骨芽細胞分化に寄与しているか、C/EBPsがMEF2C発現に関与しているか明らかにする。 ST2細胞の脂肪細胞分化誘導系を用いた機能解析:培養条件の検討を行った。具体的には、pcDNA3-Mef2cを細胞にトランスフェクションをし、脂肪分化誘導下でtime-courseやdose-dependentなどにより培養条件設定の検討。pcDNA3.1mouseC/EBP beta とpcDNA3.C/EBP deltaプラスミドトランスフェクション時の培養条件設定を行っている。 2.骨髄細胞MEF2C増加が閉経後骨粗鬆症に関与しているか否か明らかにする。 骨髄細胞特異的Mef2cノックアウトマウス(Prx1-Cre:Mef2cflox/flox)の作製:分担者所属大学での動物実験計画承認を得ることが出来、Jackson labから凍結胚 (Mef2c〈tmJjs〉/J_Embryo)が納品され、固体化を行った。Mef2cfloxマウスはPrx1Creとの交配を開始する予定であったが、実施が難しくなり、武庫川女子大学で新たに交配を開始する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.ST2細胞の脂肪細胞分化誘導系を用いた機能解析:骨髄MEF2Cが破骨、脂肪、骨芽細胞分化に寄与しているか、C/EBPsがMEF2C発現に関与しているか明らかにする。 pcDNA3.1mouseC/EBP beta とpcDNA3.C/EBP deltaプラスミドは購入し、トランスフェクション準備を行っている。ST2細胞を用いた実験系を進める上で必要な培養条件設定を行って、比較的予定通り進んでいると考えられる。 2.骨髄(または骨細胞)細胞特異的Mef2cノックアウトマウスの作製: Prx-1cre,またはDmp-1creとMef2cfloxとのマウスの掛け合わせの予定であったが、分担者の時間的な都合などにより実施が難しくなったため、予定変更となった。現在、Mef2cfloxマウス、Prx-1creマウス、両者のマウスを本学で掛け合わせ、課題研究を遂行するよう、準備を整えている。以上の背景から、全体的にはやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
1.ST2細胞の脂肪細胞分化誘導系を用いた機能解析:骨髄MEF2Cが破骨、脂肪、骨芽細胞分化に寄与しているか、C/EBPsがMEF2C発現に関与しているか明らかにする。 得られた培養条件を基に、pcDNA3-Mef2cの細胞へのトランスフェクション、IBMX, Dex.等の刺激条件下でMef2cの脂肪誘導関連遺伝子、またRANKLへの影響を確認し骨髄MEF2Cが破骨、脂肪、骨芽細胞分化に寄与しているか検討する。また、pcDNA3.1mouseC/EBP beta とpcDNA3.C/EBP deltaのST2細胞へのトランスフェクションの培養条件設定の検討を確認した後、C/EBPsがMEF2C発現に関与しているか確認する。 2.骨髄細胞特異的Mef2cノックアウトマウスの作製: たMef2c flox、Prx1Creとの掛け合わせて得られたノックアウトマウス(3か月齢)を用いて、卵巣を摘出することにより閉経後骨粗鬆症モデルとなるマウス(OVX)を作製し、用いた機能解析、骨表現型の解析準備を行う。
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