研究課題/領域番号 |
22K09370
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高原 大一郎 山形大学, 医学部, 医員 (00740664)
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研究分担者 |
二口 充 山形大学, 医学部, 教授 (60275120)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 骨微小環境 / 腎がん細胞 / microRNA |
研究開始時の研究の概要 |
腎がんは溶骨型骨転移を起こし、多発骨転移や手術による骨転移巣切除が不能な場合は予後不良となる。腎がんの骨転移巣をターゲットとした分子標的薬の開発が望まれる。我々は予備実験で、同一患者で発生した原発巣と骨転移巣の腫瘍組織を次世代シークエンサーを用いて比較し、骨転移巣のみに高発現する遺伝子変異を同定した。 本研究は腎がん細胞が骨微小環境での増殖能を獲得する分子メカニズムについて、遺伝子変異とmicroRNAの変化に着目して解析する。本研究の成果は、予後不良である多発骨転移症例への有効な分子標的薬の開発につながるものである。
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研究実績の概要 |
腎がんは溶骨型骨転移を起こし、多発骨転移や手術による骨転移巣切除が不能な場合は予後不良となる。腎がんの骨転移巣をターゲットとした分子標的薬の開発が望まれる。我々は予備実験で、同一患者で発生した原発巣と骨転移巣の腫瘍組織を次世代シークエンサーを用いて比較し、骨転移巣のみに高発現するCTNNB1の変異を同定した。本研究は腎がん細胞が骨微小環境での増殖能を獲得する分子メカニズムについて解明を目指すものである。 骨微小環境で発現が上昇している遺伝子を検索・確認するために動物実験を行った。ヒト腎がん細胞株を6匹のヌードマウスの皮下と頭蓋骨直上に移植して皮下微小環境で腫瘍細胞が増殖する領域と骨微小環境で腫瘍細胞が増殖する領域を作成した。腫瘍は6匹中5匹で皮下に生着し、6匹全てで頭部に生着した。皮下微小環境と比較して骨微小環境では腫瘍サイズが大きい傾向にあった。それぞれの領域で新鮮凍結検体とホルマリン固定パラフィン包埋検体を作成した。ヘマトキシリンエオジン染色では頭部の腫瘍では頭蓋骨への骨浸潤、骨破壊が確認された。骨浸潤がみられる領域では、cathepsin-K陽性の破骨細胞が確認された。それぞれの領域で新鮮凍結検体から遺伝子を抽出し、次世代シークエンサーを用いて遺伝子の発現解析を行った。発現に差がある候補遺伝子をk-means法を用いて42個に絞り込んだ。 今後は候補遺伝子の中からCTNNB1と関連のある遺伝子を選択し、その遺伝子の機能解析を行なっていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験により腎がん細胞が骨微小環境で発育するモデルを確立した。組織学的に骨梁構造の破壊がみられ、次世代シークエンサーにより候補遺伝子の絞り込みを行った。長期間かかると思われた実験動物モデルの作成と候補遺伝子の絞り込みが終了し、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
候補遺伝子の中からCTNNB1と関連のある遺伝子を選択し、その遺伝子をsiRNAを用いてノックダウンした腎がん細胞株を作成する。ノックダウンした細胞株で骨浸潤・骨破壊が抑制されていることを確認する。これによって、候補遺伝子が骨微小環境における腎がんの増殖に関与することを示す。
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