研究課題/領域番号 |
22K09373
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
川口 善治 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (00262527)
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研究分担者 |
箭原 康人 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (60456390)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脊柱靭帯骨化症 / 後縦靭帯骨化症 / 骨化巣伸展 / IL-17 / 仙腸関節 / ペリオスチン |
研究開始時の研究の概要 |
後縦靭帯骨化症(OPLL)は頚椎に好発するが、全脊椎に骨化巣が見られ、胸椎の前縦靭帯 の骨化により、強直性脊椎炎(AS:ankylosing spondylitis)や強直性骨増殖症(DISH: diffuse idiopathic skeletal hyperostosis)と類似の骨化形態をとる場合がある。これま での研究ではOPLLの胸椎の骨癒合の形態は、山型(jaggy type)と平坦型(flat type)に 分かれ、後者はbamboo spineを特徴とするASに極めて類似する患者が存在することが解った。ASは近年病態の解明が進み、IL-23およびIL-17A経路を介した発症機序が関与していることが解ってきた。またこれによってIL-17A受容体阻害薬がASの治療に使われるようになった。
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研究実績の概要 |
OPLLの病因を探るべく、OPLL患者の血液中にIL-17がいかなる挙動を示しているかを検討することを目的として研究を行った。103人のOPLL患者と年齢性をマッチさせた53人のコントロール患者を外来でリクルートした。全患者は全脊椎のCTを撮像し骨化形態を確認した。OPLL患者のうち53人はDISHと判断される所見を有し、50人ではDISHは認められなかった。 その結果、 1.OPLL組織にIL-17陽性細胞が認められた。 2.血中のIl-17濃度はOPLL患者とコントロールでは差がなかった。しかしDISHがある症例ではDISHがない症例に比べてIL-17は高値であった。またDISHの中でもFlat typeのものはJaggy typeに比較してIL-17が高値であった。さらにOPLL患者ではPiの値がコントロールに比較して低値をとった。 3.仙腸関節の所見との関連では、仙腸関節に癒合を認めた症例(Type 4)でIL-17は高値を取った。 以上よりOPLLの中には、ASの病因と同様にIL-17/IL-23シグナルを介して骨化が生じている症例が存在する可能性があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データがほぼそろって解析を行っている途中である。
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今後の研究の推進方策 |
後縦靭帯骨化の広がり、形態、伸展の有無および黄色靭帯骨化、前縦靭帯骨化との関連についても検討を行う予定である。
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