研究課題/領域番号 |
22K09382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山田 久方 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20363369)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 関節リウマチ / マクロファージ / 滑膜 |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ(RA)は全身の関節炎症を特徴とする難治性慢性疾患である。マクロファージは全身の組織に常在し、感染防御や組織恒常性維持に働く免疫細胞であるが、関節組織にも常在している。本研究ではこれら関節常在性マクロファージが、RA病態に伴う種々の外因刺激の存在下で、どのような機能変化を起こすか明らかにする。これによりRAの炎症病態の解明、新規治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は初年度で手法を確立した、ヒト関節滑膜常在性マクロファージ、末梢血単球由来マクロファージの培養実験を継続し、各種解析データを集積した。 まずコントロール群である末梢血単球由来マクロファージは、固相化IgG刺激やTNF-a, IFN-gなど各種 サイトカイン刺激によって、表面抗原の発現や、各種マーカー遺伝子の発現パターンが炎症性に変化することをフローサイトメーター、定量RT-PCR解析で確認した。実際、機能的にも炎症性サイトカインの発現が上昇し、共培養した滑膜線維芽細胞の機能をも炎症性に変化させるなど、炎症性マクロファージへの分化することがわかった。これは関節リウマチ滑膜局所に集簇する、血中単球由来マクロファージに類似するものと考えられる。 一方、滑膜常在性マクロファージにおいては、上記の刺激を加えて培養した後も表面抗原や各種マーカー遺伝子の発現パターンにはほとんど変化が見られなかった。しかし機能的には炎症性サイトカイン遺伝子の発現が軽度上昇しており、これは滑膜線維芽細胞の共培養実験でも確認された。すなわち定常状態では組織恒常性の維持に働く滑膜常在性マクロファージは、関節リウマチなどの炎症状況下では表現系は保ったままで機能を変化させ、炎症の増悪に働いていることが示唆された。実際の関節リウマチの関節滑膜でも組織学的に同様の表現系のマクロファージが観察されており、これらも治療標的となりうることが本研究から明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
培養に用いる細胞数の見直しなどにより、本年度の研究はほぼ計画通りに進行し、十分な成果を得ることはできた。 ただしマイクロアレイ法による網羅的遺伝子解析については、サンプルのクオリティに問題があることも多く、十分な数に達していない。今後もサンプル数を増やして解析を継続する。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度では当初計画の中で、まだ十分に解析が進んでいない遺伝子発現解析、T細胞の培養実験を進めるとともに、今までの研究成果の発表を中心に活動を行う。
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