研究課題/領域番号 |
22K09389
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
大西 英生 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (20279342)
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研究分担者 |
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
川崎 展 産業医科大学, 医学部, 講師 (40644860)
鈴木 仁士 産業医科大学, 医学部, 准教授 (80644880)
松浦 孝紀 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (90821679)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | OXT-mRFP1 / 線維筋痛症(FM) / 背側縫線核(DR) / 抗トリプトファンヒドロキシラーゼ(TPH)抗体 / 青斑核(LC) / 抗チロシンヒドロキシラーゼ(TH)抗体 / OXT mRNA / 血漿OXT濃度 / 線維筋痛症 / von Frey test / 強制水泳テスト / 背側縫線核 / 青斑核 / 慢性疼痛 / オキシトシン / TRPV1 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性疼痛による社会・経済的影響は大きく、その発生機序の解明や治療法の確立が急務である。なかでも線維筋痛症(FM)は全身性慢性疼痛疾患でうつ症状等を伴うが、その病態は不明である。昨今の研究により非選択的陽イオンチャネルであるTRPV1および視床下部ホルモンのオキシトシン(OXT)が侵害受容およびストレス応答にそれぞれ関与している事が明らかとなり、FMの症状との関連が示唆されている。本研究では遺伝子改変動物にFMモデルを作成し、TRPV1機能阻害による侵害受容抑制効果、ならびにOXTの発現動態の変化に伴うストレス応答の変化を明らかにし、侵害受容とストレス応答との機能連関について検証する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、オキシトシン(OXT)を改変赤色蛍光タンパク(mRFP1)で標識したmRFP1トランスジェニック(Tg)ラットを用いて線維筋痛症(FM)モデルラットにおけるOXTの発現動態の評価を行った。 雄性8週齢のOXT-mRFP1 Tgラットを用いて、レセルピン(1mg/kg)を3日間連日皮下投与しFMモデル(FM群)を作成した。コントロールとしてvehicle(0.5%酢酸)を投与したコントロール群を作成した。注射終了後2、4及び22日にラットを灌流固定し、ミクロトームを用いてSON、PVN、DR、LCを含む脳切片を作成した。SON、PVNにおけるOXT-mRFP1蛍光輝度を蛍光顕微鏡で観察し評価した。前年度に注射終了後6日の蛍光輝度に有意差がなかった結果と同様にFM群のSON、PVNにおける蛍光輝度はどのタイムポイントにおいてもコントロール群と比較して有意差はなかった。 下行性疼痛抑制系の評価として、背側縫線核(DR)は抗トリプトファンヒドロキシラーゼ(TPH)抗体、青斑核(LC)は抗チロシンヒドロキシラーゼ(TH)抗体による免疫組織化学的染色(IHC)を行い、IHC陽性細胞数を計数した。注射終了後22日において、FM群のDRにおけるTPH陽性細胞数、LCにおけるTH陽性細胞数は、コントロール群と比較して有意差を認めなかった。 更に、雄性8週齢のOXT-mRFP1 Tgラットを使用し、in situ ハイブリダイゼーションを行いOXT mRNAの発現量を測定した。FM群とコントロール群を作成し、注射終了後6日でdecapitationを行った。コントロール群と比較し、FM群のOXT mRNAは、mPVNのみで有意に減少した。血漿OXT濃度に有意差は認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
OXT-mRFP1 Tg ラットにおいてFMモデルにおいても我々が報告してきた疼痛モデルと同様にOXT蛍光強度の増加を認めると考えたが、FMモデルラットにおけるOXTの発現動態は、注射終了後2、4及び22日においても蛍光輝度では有意差は認めなかった。また、OXT mRNAの発現量はmPVNで減少していた。注射終了後6日で減少していたDRにおけるTPH陽性細胞数、LCにおけるTH陽性細胞数が注射終了後22日には有意差を認めなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(令和6年度)は、OXT-hM3Dq-mCherry Tgラットを用いてFMモデルを作成し、 CNO(クロザピンNオキシド)による生理的範囲内で増加したOXTのFMに対する疼痛閾値やうつ様行動に対する効果をvon Frey testや強制水泳テストを用いて検討する。 また、DRにおけるTPH陽性細胞数、LCにおけるTH陽性細胞数がCNO投与によって変化するか否か検討する予定である。続いて、OXT-mRFP1 Tgラットを用いてFMモデルを作成し、電気生理学的手法を用いたOXTニューロン可塑性の評価を行う予定としている。
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