研究課題/領域番号 |
22K09396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
土屋 弘行 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40227434)
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研究分担者 |
三輪 真嗣 金沢大学, 医学系, 助教 (40753455)
林 克洋 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (80507054)
五十嵐 健太郎 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任助教 (80622860)
山本 憲男 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (90332668)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 肉腫 / バイオマーカー / 微小環境 / 骨転移 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 好中球/リンパ球比 / 骨軟部腫瘍 / 治療標的 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,がん微小環境,腫瘍免疫,エクソソームが注目されている.これまでに我々は,蛍光タンパクの遺伝子導入により腫瘍細胞が浸潤,転移する過程を生体内で継時的に観察する技術を確立してきた.本研究では,蛍光イメージング技術を用いて腫瘍細胞やエクソソーム,がん微小環境を可視化し,継時的に観察することにより,骨軟部腫瘍が浸潤,転移を形成する過程におけるがん微小環境,腫瘍免疫,エクソソームの影響を評価し,転移形成機序や腫瘍免疫による転移抑制機序を明らかにする.また,腫瘍細胞が転移巣を形成する過程での腫瘍細胞の変化も調べることにより転移形成機序を明らかにし,悪性腫瘍における治療標的を探索する.
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研究実績の概要 |
骨肉腫は,小児や若年者において最も頻度の高い原発性骨腫瘍の一つであり,高い頻度で肺などの遠隔臓器に転移を形成する.近年,腫瘍の転移や進展における小型細胞外小胞(small extracellular vesicles,以下SEV)の役割に注目が集まっている.これまでの我々の研究では,骨肉腫の局所増大や遠隔転移が小型細胞外小胞の分泌により促進され,miR-146a-5p発現の上昇を介した破骨細胞形成がみられた.さらに,転移能をもつ高悪性度腫瘍において,小胞体内のmiR-146a-5p以外にも12種類のmiRNAが6倍以上の発現を示した.しかし,これらの13種類のmiRNAが臨床において予後に与える影響については不明であった.本研究では,これらのmiRNAの予後や診断におけるバイオマーカーとしての有用性について検討した.化学療法と手術を受けた骨肉腫患者27例について,血清中のmiRNAの発現と患者の生存について調査した.さらに,診断におけるmiRNAの有用性評価のため,これらの患者と,他の骨腫瘍患者112例,健常者275例における血清中miRNA発現を比較した.血清miRNA(miR-146a-5p,miR-1260a,miR-487b-3p,miR-1260b,miR-4758-3p)が高い患者は低い患者に比べて生存率が高かった.特にmiR-1260a高値の患者では,低値の患者に比べて良好な全生存率,無転移生存率,無転移生存率,無病生存率がみられた.この結果から,血清miR-1260aは骨肉腫の予後予測マーカーとなる可能性が示唆された.さらに,良性または中間悪性の骨腫瘍と比べ,骨肉腫では血清中のmiR-1261が高値であり,良悪性の鑑別における有用性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画を予定通りに遂行できているため.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究計画を遂行する.
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