研究課題/領域番号 |
22K09399
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
乾 淳幸 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (70457092)
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研究分担者 |
西本 華子 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (30707154)
美舩 泰 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80608464)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 人工知能 / 野球肘検診 / エコー画像 / 動作解析 |
研究開始時の研究の概要 |
少年期の野球に関するスポーツ障害の1つに’野球肘’がある。野球肘の発症予防として、全国各地で「野球肘検診」として問診や投球フォーム分析、エコー装置による障害の早期発見といった取り組みが行われている。 本研究ではAI技術を野球肘検診に利用する事を目標とする。機械学習という手法を利用し、野球肘検診において投球フォームや身体特性のデータから肘障害発症のリスクを個別に予測する。また、ディープラーニングという手法を利用して、エコー画像データからリアルタイムに病変の検出を行うAIモデルを確立し検診の支援を行う事を目的とする
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研究実績の概要 |
少年期の投球障害の1つである野球肘の中でも、上腕骨外側に発生する軟骨障害である離断性骨軟骨炎(OCD)の早期発見を目指したシステムの開発に取り組んだ。OCDの検出は超音波画像診断装置(エコー)にて可能であることより、人工知能(AI)の技術を応用してエコー画像におけるOCD病変の発見を目指した。 画像に対するAI技術である、「画像分類」および「物体検出」のタスクを野球肘検診におけるエコー画像のOCDの検出に応用し、画像分類タスク用にはすべての撮像肢位データを1つにまとめて「OCDあり」「OCDなし」に2値分類を行った。物体検出タスクとしては正常関節面を含むstandard viewおよびOCD病変をアノテーションしYOLOv8にて学習を行った。分類タスクでは作成したモデルは軟骨下骨の途絶といった特徴をとらえており、分類タスク・物体検出タスクともに高い精度でOCD病変が検知可能であった。また、動作が高速であるYOLOv8nモデルを使用することにより、通常のPCであってもリアルタイムに病変の検出が可能であり、野球肘検診への応用が可能であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
画像処理を行うAIモデルはすでに開発が進み、2023年1月の発表された最新の画像処理モデルであるYOLOv8nモデルを使用したAIモデルの訓練を行った、本研究で作成したモデルが検出した部位と医師が行ったアノテーション部位を比較した検出精度は、mAP(50)が0.991、mAP(50-95)が0.784であり、高い精度で正確に検出することができた。通常のPCであってもリアルタイムに正常肘関節面および病変の検出が可能であり、検診現場での応用も始まっている。
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今後の研究の推進方策 |
現時点ではすべてのエコー装置にAI搭載コンピュータを接続することはリソースの問題より困難である。今後はAIモデルを軽量化、一般化しpythonによる特殊な環境構築を必要としない一般的なコンピュータで動作可能にすることを現時点の目標としている。 また、エコー装置の違いや検査手順の違い等で今回作成したモデルが全国各地で行われている野球肘検診でも動作するとは限らない。そのため、各施設が所有している独自データを用いてYOLOモデルを訓練・実装する方法を検討してゆく。
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