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低酸素下でのみ薬剤を遊離作用可能にしたプロドラッグを用いた骨肉腫治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K09402
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56020:整形外科学関連
研究機関広島大学

研究代表者

古田 太輔  広島大学, 病院(医), 助教 (30781645)

研究分担者 池田 豊  筑波大学, 数理物質系, 助教 (70425734)
味八木 茂  広島大学, 病院(医), 特定教授 (10392490)
作田 智彦  広島大学, 病院(医), 助教 (60878289)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードドキソルビシンプロドラッグ / 骨肉腫 / 副作用 / 骨髄抑制 / 心臓毒性 / 妊孕性 / ドキソルビシン / プロドラッグ / 心毒性
研究開始時の研究の概要

近年、四肢悪性腫瘍の抗癌剤治療の開発により予後の改善を認めるが、抵抗性や重篤な副作用など課題が多く残されている。一方で血流の届きにくい悪性腫瘍の低酸素化部位が、放射線治療や抗がん化学療法への治療抵抗性へ繋がることが分かって来た。そこで近年、古典的な抗癌剤に2-ニトロイミダゾール(NIM)を付加することにより、低酸素下でのみ薬剤を遊離して作用することが出来るプロドラッグに注目した。我々は悪性骨軟部腫瘍において最も重要な薬剤であるdoxorubicin(DOX)のプロドラッグを用いて治療効果の増強、副作用(特に問題となる心毒性)の軽減の実現を計画した。

研究実績の概要

研究目的:現在、悪性骨軟部腫瘍(肉腫)において、ドキソルビシンは多くの薬剤の比較試験が行われ、最も重要な薬剤として通説である。しかしドキソルビシンは副作用が強く、特に骨髄抑制、心臓毒性、肝臓毒性、生殖機能の障害が問題となっている。
研究実施計画:低酸素下で薬剤遊離するように設計された2ニトロイミダゾールをドキソルビシンに結合させたドキソルビシンプロドラッグを用いて、従来のドキソルビシンでは到達できない血流の届かない低酸素部位の腫瘍深部にまでドキソルビシンを届け、さらに血液や心臓などの酸素が豊富な部位では、薬理作用が発揮されないため、副作用が劇的に低下した。現在、先行研究と同様に骨肉腫担癌マウスを作成し抗腫瘍効果に対して検証を行った。さらに副作用評価として血算と生化学(骨髄、心臓、肝臓、生殖器など)、組織学的評価を行った。
結果:ドキソルビシンプロドラッグは体重減少なく、ドキソルビシンと同等の抗腫瘍効果を示すことが有意差をもって示された(N=9)。さらにドキソルビシンプロドラッグ投与群は、ドキソルビシン投与群と比較してWBC、AST、ALTが低下しないことが有意な差をもって示された(N=8)。つまり骨髄抑制と肝機能障害が抑制できることが示された。
組織学的評価では、心筋障害を示す空砲化がドキソルビシンプロドラッグ投与群はドキソルビシン投与群と比較すると認めず、スコア化すると有意な差を認めた。さらに精巣においても精細管の縮小や空砲化が見受けられて、スコア化すると有意な差をもって心筋障害、精巣機能障害を抑制できることが証明された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

上記の通りドキソルビシンプロドラッグは体重減少なく、ドキソルビシンと同等の抗腫瘍効果を示すことが有意差をもって示された(N=9)。さらにドキソルビシンプロドラッグ投与群は、ドキソルビシン投与群と比較してWBC、AST、ALTが低下しないことが有意な差をもって示された(N=8)。つまり骨髄抑制と肝機能障害が抑制できることが示された。
組織学的評価では、心筋障害を示す空砲化がドキソルビシンプロドラッグ投与群はドキソルビシン投与群と比較すると認めず、スコア化すると有意な差を認めた。さらに精巣においても精細管の縮小や空砲化が見受けられて、スコア化すると有意な差をもって心筋障害、精巣機能障害を抑制できることが証明された。
現在骨密度への影響などについても検証を進めているが、副作用を軽減しながら抗腫瘍効果を維持することが証明されているので、Anticancer researchに投稿準備を早急に進めている段階である。

今後の研究の推進方策

すでに論文化に向けて準備が整いつつある。骨肉腫だけでなく、その他の細胞株などについて追及していく段階である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ドキソルビシンプロドラッグを用いた骨肉腫治療の確立2023

    • 著者名/発表者名
      古田 太輔、吉岡 紘輝、作田 智彦、安達 伸生、池田 豊
    • 学会等名
      第38回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ドキソルビシンプロドラッグを用いた骨肉腫治療の確立2022

    • 著者名/発表者名
      古田太輔、作田智彦、安達伸生、池田 豊
    • 学会等名
      第37回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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