• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

肉腫の脱分化機構に着目した新たな疾患分類の確立と治療標的開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K09415
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56020:整形外科学関連
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

小林 英介  国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (40365292)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード肉腫 / 脱分化 / MDM2
研究開始時の研究の概要

脱分化に関連する3つのテーマ(脂肪肉腫脱分化機構の解明と予測及び治療標的の開発、骨原発肉腫における脱分化の分子病理学的確立と治療標的バイオ―マーカー探索、脱分化に関与するMDM2遺伝子増幅を有する新規軟部肉腫の疾患概念の確立)が今回の研究概要である。

研究実績の概要

近年は肉腫の遺伝子診断に基づく疾患概念が確立し、治療開発には正しい診断が求められる。軟部肉腫で最も多い脂肪肉腫の1つ脱分化型脂肪肉腫では2q14-15(MDM2/ CDK4)の遺伝子増幅が関わっており、診断に有用である。一方で我々は脂肪肉腫成分を全く有さない未分化肉腫における同様の遺伝子増幅の存在に注目しており、これらをMDM2-amplified soft tissue peripheral sarcoma(MSPS)と仮称した。これが脱分化型脂肪肉腫か別の新規疾患概念であるのかに関しては極めて希少ながん(Ultra rare cancer)のために定義が確立しておらず、予後に関する状況も不詳である。今回我々はMSPSが新規疾患概念である可能性を念頭におき、その証明のために臨床学的検討および遺伝子レベルでの比較解析を行うことでMSPSの新たな疾患概念としての確立および、MDM2や脱分化を標的とした新規治療開発に繋げることが目的とした研究を行うことである。具体的には当院で診断したMSPSと思われる腫瘍の臨床像を検討し、通常の脱分化脂肪型肉腫やUPSとの臨床学的所見や予後との関連性を同定する。また凍結検体よりDNA/RNAを抽出し、NGSによる解析を行うことである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、初年度は臨床検体の抽出、臨床学的な治療成績の検討を行っており、計画通りに進行している。MSPSを当院のアーカイブより渉猟し、現在までに15例を後方視的に抽出している。MSPSに加えて四肢末梢に発生した脱分化型脂肪肉腫、MDM2陰性の未分化多形肉腫を当院のアーカイブより渉猟し、病理分子学的検討および臨床学的解析を行っている。またDNA/RNAを抽出し、全検体のquality checkを行ったのちに遺伝子解析を行い、そのデータを抽出し、現在解析を行っている、

今後の研究の推進方策

今後はMSPSのゲノム解析を進めていく。過去に解析した脱分化型脂肪肉腫のゲノムデータとの比較検討し、遺伝子発現の形態を検討しながら、メチル化解析を行うことも予定しており、新規疾概念としての確立できるかどうかを検討する。比較検討の結果、同定した分子がMSPSの診断や治療のバイオマーカー候補になりうるかの検討を行い、その妥当性を検討する。MSPSは極めて希少ながんであるが、MDM2/CDK4の遺伝子増幅があり、それ標的とした阻害剤による脱分化型脂肪肉腫の治験が同時並行で進行している。このためMSPSの概念を脱分化が脂肪肉腫に加えることができた場合にはさらなる治療開発を進められる可能性があり、非常に有望であると考える。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] 四肢・体幹表層発生の高分化型脂肪肉腫成分を伴わないMDM2増幅軟部肉腫と脱分化型脂肪肉腫の放射線学的特徴の比較2023

    • 著者名/発表者名
      戸田雄、小林英介、関田哲也、岩田慎太郎、小倉浩一、尾崎修平、福島俊、川井章
    • 学会等名
      第96回日本整形外科学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Comparison Between MDM2-amplified Sarcoma Without Well-differentiated Sarcoma Component and Dedifferentiated Liposarcoma2023

    • 著者名/発表者名
      Yu Toda, Eisuke Kobayashi, Tetsuya Sekita, Akira Kawai
    • 学会等名
      ORS (Orthopaedic research society)2024 Annual Meeting
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 四肢および体幹表層に発生する高分化型脂肪肉腫成分を伴わないMDM2増幅軟部肉腫と脱分化型脂肪肉腫の臨床的検討2022

    • 著者名/発表者名
      小林英介、戸田 雄、岩田慎太郎、川井 章
    • 学会等名
      第95回日本整形外科学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Clinical outcome in MDM2-amplified soft tissue peripheral sarcomas2022

    • 著者名/発表者名
      Eisuke Kobayashi, Yu Toda, Tetsuya Sekita and Akira Kawai
    • 学会等名
      ISOLS Los Angeles USA
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi