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沖縄型ALSの脊髄局所モデル動物作成と外科的治療法の探索;変異型TFG発現制御

研究課題

研究課題/領域番号 22K09428
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56020:整形外科学関連
研究機関琉球大学

研究代表者

神里 興太  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10554454)

研究分担者 垣花 学  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20274897)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード神経原性筋萎縮症 / in vivo遺伝子治療 / 遺伝子治療 / 軟膜下投与法
研究開始時の研究の概要

沖縄型神経原性筋萎縮症 (沖縄型ALS)は沖縄地方に多発する治療法のない神経難病である.本症は原因遺伝子TFGが特定されており,沖縄型ALSとALSは共通の分子メカニズムで神経細胞死を来していることが想定されている.本申請研究では「脊髄局所における変異型TFG増加により沖縄型ALSモデルラットを作成し、外科的遺伝子導入による治療法を開発する」ことである.
具体的には(1)脊髄局所における変異型TFG発現(TFGP285L)を増加させることで沖縄型ALSモデルを確立,(2)神経細胞死による運動機能変化と病理学的検討,(3)TFGP285L発現を外科的介入による沖縄型ALS病状進行停止を模索する.

研究実績の概要

本研究では「脊髄局所における変異型TFG増加により沖縄型神経原性筋萎縮症 (沖縄型ALS)モデルラットを作成し、外科的遺伝子導入による治療法を開発する」ことである.
(1)脊髄局所における変異型TFG発現(TFGP285L)を増加させることで沖縄型ALSモデルを確立,(2)神経細胞死による運動機能変化と病理学的検討,(3)TFGP285L発現を外科的介入による沖縄型ALS病状進行停止を模索.
低侵襲な成熟個体への遺伝子導入の方法として「軟膜下投与法」を開発し脊髄に障害を与えることなく効率的な遺伝子導入が実施可能となり、本研究でも採用している.予備実験として、使用するラット(SD系)を用い緑色蛍光タンパクGFPを過剰発現させる試みを実施した。本実験として以下の検討が進行中である.
Ⅰ) プラスミド・ウイルスベクター作成:使用する変異TFGプラスミドは,培養神経細胞を用いてその細胞障害効果を判定したのち,AAV9を作成する.沖縄型ALSで報告された遺伝子変異(TFGP285L)をターゲットとしAAV9を作成を開始した.神経特異性を高めるためプロモーターとしてSynaptophysinを使用することとし作成、ラット脊髄神経細胞への導入実験を実施し、遺伝子導入できることを確認した.
Ⅱ )ラット軟膜下投与によるTDP-43断片化C末端遺伝子導入とその評価:雄性ラットの胸椎Th11/12椎弓切除を施行する.その椎弓切除部分の硬膜を切開することで脊髄腰髄膨大部を露出する.軟膜を30G軟膜切開針で切開した後,軟膜下投与用鈍針を軟膜下挿入する.経注入針的にAAV9-Syn-mTFGP285Lを注入する.今後は、14日毎に下肢運動機能とALSモデル動物で行われている電気生理学的検査(muscle fibrillation)の評価を行う。神経機能の客観的評価を行い、症状発現を観察する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初感染効率を高めるため、ubiquitinをプロモーターとするウイルスベクター作成を試み生体内における感染効率の確認を行なった.運動神経細胞に対する感染効率(=遺伝子導入効率)を実施し、高効率で実施することができることが確認できた.遺伝子変異による症状発現の時期を遺伝子改変動物(マウスモデル)を使用し確認している.
それ以外の手術の手技の確認等は問題なく経過している。

今後の研究の推進方策

当初の計画通りより効率的なベクター設計は並行して推進する予定である.本年度中にウイルスベクターの生体内投与と効果発現(=神経細胞死)の評価と遺伝子改変動物(マウス)を使用し、効果発現(=運動障害)時期の確認を実施する計画である.
Ⅰ) プラスミド・ウイルスベクター作成 :本年度も継続する.使用する変異TFGプラスミドは,培養神経細胞を用いてその細胞障害効果を判定したのち,AAV9を作成する.
Ⅱ )ラット軟膜下投与によるTDP-43断片化C末端遺伝子導入とその評価:本年度実施予定.雄性ラットの胸椎Th11/12椎弓切除を施行する.その椎弓切除部分の硬膜を切開することで脊髄腰髄膨大部を露出する.軟膜を30G軟膜切開針で切開した後,軟膜下投与用鈍針を軟膜下挿入する.経注入針的にAAV9-Syn-mTFGP285Lを注入する.下肢運動機能と電気生理学的検査(muscle fibrillation)の評価を行い,神経機能の評価を行う(14日毎).
Ⅲ )ラット脊髄の免疫組織学的評価など :電気生理学的変化が認められた場合,その前後の時期も含め脊髄の病理学的変化を免疫組織学的に評価する.具体的には脊髄前角の運動神経減少率や残存している運動神経細胞内におけるTDP-43の分布を評価する(蛍光顕微鏡及び共焦点顕微鏡).同時にWestern blottingによりTDP-43,TFGそれぞれのタンパク発現量の定量を行う.
本申請研究では感染効率の最適化は重要であるが、疾患モデルの確立という点から神経細胞特異的なベクターと細胞選択性がないベクターのどちらが症状発現にとって有利であるか不明なため、どちらのベクターも作成し、使用する計画としている。また、神経細胞死の時期が不明であるため遺伝子改変マウスを用い、症状と神経細胞の関係に関しても検討を進める.

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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