研究課題/領域番号 |
22K09434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
中原 直哉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10632193)
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研究分担者 |
山内 秀樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60220224)
竹森 重 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20179675)
山口 眞紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (30271315)
平野 和宏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40874821)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | X線回折法 / 骨格筋 / in vivo |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋の萎縮の予防と対策には筋萎縮過程の解明が必須である。従来の構造評価は顕微鏡観察が主であったが、X線回折法では収縮中も含めた生きた筋の分子レベルの構造をリアルタイムに評価できる。本研究では血流を保った“生きたまま”のin vivo骨格筋にX線回折法を適用し、収縮中も含めた構造と機能の同時評価を生体内と同一条件で行う研究手法の確立を目的とする。 更にこの開発した手法を筋フィラメント間隔での相違があるギプス固定と、除神経による2つの筋萎縮モデルに適用する。これをin vivo骨格筋で構造と機能を詳細に調べることで、創薬ターゲットとなりうる各々の萎縮における分子レベルの相違を明らかにする。
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研究実績の概要 |
骨格筋萎縮の予防と対策には萎縮メカニズムの解明が必須である。解明に向けての従来の構造評価のアプローチは顕微鏡が主体であったが、X線回折法では組織固定を行わずにサルコメア内の分子レベルで評価可能である。さらに本研究で行っている血流を保ったin vivo骨格筋にこの手法を応用することで、生体内と同一条件で分子レベルの構造を評価できるのみならず、経神経刺激時の機能評価も同時に評価できる点で非常に有用な手法である。 まずin vivo骨格筋での構造と機能の同時評価を試みた。つくばにあるシンクロトロン放射光施設で、マウスの長趾伸筋の遠位腱を電動アクチュエータ上に載せた張力トランスデューサに接続し、坐骨神経を電気刺激装置で刺激できるようにした。0.5msecの刺激により単収縮をし、電動アクチュエータを操作することで至適長を決定した。電動アクチュエータに接続していることで今後遠心性収縮や求心性収縮もできるようにした。弛緩時のX線回折像の取得だけでなく、経神経刺激のシグナルとX線回折用のシャッターおよびX線カメラを同期させることにより、100Hzで0.5秒間刺激した強縮中のX線回折像の取得にも成功した。収縮中のX線回折像では収縮を反映し、ミオシン頭部がアクチン側に移動することを示唆する赤道方向の反射である1,1反射と1,0反射の強度比(1,1/1,0強度比)が上昇することが確認された。さらに子午線方向の反射である第1層線においてもミオシンの周期はアクチンの周期に合うように強度比が変化した。摘出筋で知られていた収縮中のX線回折像の変化を確認された。 さらに神経原性筋萎縮モデルを坐骨神経の凍結損傷で作製し、そのモデルにおける筋萎縮過程を観察するために後肢のCT撮影を行った。これにより限られた放射光施設での実験時には適切な処置期間での撮影が可能になると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は大きく分けてin vivo骨格筋X線回折法による構造と機能の同時評価法の確立と、筋萎縮の原因別に萎縮初期の過程を解明することである。 構造と機能の同時評価法はマウスの長趾伸筋に対してX線回折像による分子レベルの構造と収縮張力を取得することで成功した。一方で遅筋の代表であるヒラメ筋に対してはまだ同時評価法を行うことができていない。 神経原性筋萎縮として坐骨神経の凍結損傷による除神経モデルマウスを作成し萎縮過程による筋量変化を観察するために経時的なCT撮影を行った。一方で廃用性筋萎縮としてのギプス固定モデルはまだ試行できていない。
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今後の研究の推進方策 |
現在開発中のin vivo骨格筋X線回折法による構造と機能の同時評価法を遅筋であるヒラメ筋での取得を目指すとともに、筋萎縮モデルに対してもX線回折像による構造と機能の同時測定を行っていく。
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