研究課題/領域番号 |
22K09435
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
池本 竜則 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40448387)
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研究分担者 |
新井 健一 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (50380316)
大道 美香 金沢医科大学, 医学部, 講師 (30581079)
大道 裕介 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (50506673)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 変形性膝関節症 / 炎症 / 免疫調整 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、OAを炎症の一端と捉えて理解しようとする病態解明が進んでいる。このことから「OA病態を自己免疫暴走による炎症の一端として捉え、免疫調節により病態治療に結び付けようとする治療戦略」が想起される。我々はこれまでに、すでに確立されている膝OAモデルラットを用い、免疫調節作用を有するメソトレキサート(MTX)を炎症初期に投与することにより、疼痛行動悪化が抑制される可能性を見出している。本研究の目的は、本モデルにおける経時的な関節内構造変化、病理組織学的変化、炎症サイトカイン、誘発遺伝子などの観察により、膝OAモデルラットへのMTX投与の有用性を検証することである。
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研究実績の概要 |
変形性関節症(OA)は軟骨変性が病態の首座であるが、自己免疫による炎症反応がその病態の一端であると捉えると、免疫調整薬の有用性が期待できる。これまでに我々はラット膝OA モデルにおいて、関節リウマチ(RA)のアンカードラッグであるメソトレキサート(MTX)投与による疼痛行動の悪化抑制を観察した。本研究ではさらにTNFα阻害剤の追加投与によりその効果を検証した。 12-14 週齢/雄のWister Ratを用いた.右膝関節内にmono-iodoacetate(MIA)3mgを投与し膝OAモデルを作製。MTX 3 mg/ml/kg 経口投与のMTX群と、MTX経口投与にTNFα阻害剤(エタネルセプト:ETN) 30mg/kg皮下注を加えたMTX+ETN群、,薬剤投与無しのCtrl群の3群(各群n=6)とした。MIA 投与後3 日・1・2・3 週で薬剤投与を行い、1・2・3・4週時に疼痛行動と関節構造変化を評価した。疼痛行動は10 分間の自発立ち上がり回数を、関節構造変化はmicro CTで膝蓋大腿関節表面の変化を解析した。MIA 投与後2週時に膝関節造影CTを行い、膝蓋骨高位の滑膜炎面積をImageJで計測し、4週時に血清TNFα濃度を測定した。結果、4週時の血清TNFα濃度は、Ctrl群> MTX群> MTX+ETN群であり、TNFα抑制効果が確認された。一方、疼痛行動、関節構造変化、滑膜炎面積いずれの評価においてもMTX群において病態悪化が最も抑制されており、MTX+ETN群はCtrl群と同程度の病態悪化が観察された。RAではMTX単独よりもMTX及びTNFα阻害剤の追加投与が臨床成績を向上させるというコンセンサスが得られているが、本OAモデルではこの仮説は検証できず、逆にTNFα阻害剤の追加投与することでMTX単独効果を減弱させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り順調に進んでいる
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今後の研究の推進方策 |
当初の仮説では、TNFα阻害剤の追加投与により、より関節炎症および破壊が抑制できると考えていたが、仮説どおりの結果は得られなかった。従って、今年度は、TNFα阻害剤の単独投与、IL-6阻害剤の単独投与を治療群に加えることで、OA予防効果の検証を行いたい。
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