研究課題/領域番号 |
22K09446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
後藤 崇之 京都大学, 医学研究科, 講師 (90806605)
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研究分担者 |
小林 恭 京都大学, 医学研究科, 教授 (00642406)
赤松 秀輔 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20767248)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | CDK12異常前立腺癌 / 去勢抵抗性前立腺癌 / ATM阻害薬 / PARP阻害薬 / PDX / 前立腺癌 / CDK12 / 相同組換え修復関連遺伝子 / 患者由来ゼノグラフト |
研究開始時の研究の概要 |
近年、去勢抵抗性前立腺癌の約11%の症例で相同組換え修復関連遺伝子の1つであるCDK12の変異が報告され、難治性であり新規治療の開発が望まれている。CDK12変異前立腺癌においては有用な基礎研究モデルが存在しなかったが、申請者は患者検体由来ゼノグラフトを用いることで、投薬実験と機能解析が可能な実験モデルを確立した。本研究はPARP阻害薬とATR阻害薬の併用投与を治療候補として、その有効性の確認と作用機序の解明を行い、臨床応用を目指す。
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研究実績の概要 |
①CDK12変異前立腺癌患者由来ゼノグラフト(PDX)を用いた投薬実験・機能解析 我々が2名のCDK12変異前立腺癌患者から独自に樹立したPDX、KUCaP18・KUCaP21を使用し、controlとしてCDK12変異を有さない去勢抵抗性前立腺癌PDX、KUCaP12を用いて、PARP阻害薬単剤群、ATR阻害薬単剤群、併用投与群およびvehicle群の4群にわけ投薬実験を行った。その結果、KUCaP18・21では併用群でのみ有意差をもって抗腫瘍効果を認め、さらにwestern blottingでDNA2本鎖損傷のマーカーであるγH2AXが併用投与群で上昇していた。一方KUCaP12では併用群も効果を認めなかった。Off target効果も考え、KUCaP18・KUCaP21には異なるATR阻害薬とPARP阻害薬の併用投薬実験も行ったがやはり抗腫瘍効果を認めた。以上からCDK12異常のあるPDXにATR阻害薬とPARP阻害薬の併用投与は効果があることを認めた。また有害事象の評価のため治療後の肝臓・腎臓を組織学的に評価したところ、投薬群とvehicle群で有意差を認めなかった。治療後の血球についても評価しPARP阻害薬投薬群でやや貧血を認めたものの、白血球減少や血小板減少を認めなかった。 ②細胞株を用いたPARP阻害薬とATR阻害薬の作用機序の解明 我々が作成したCDK12KO(ノックアウト)前立腺癌細胞株と親株とでATR阻害薬の投薬実験を行ったところ、CDK12KO前立腺癌細胞株で増殖抑制を認めた
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、細胞株を用いたPARP阻害薬とATR阻害薬の作用機序の解明を終えている。
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今後の研究の推進方策 |
①細胞株を用いたPARP阻害薬とATR阻害薬の作用機序の解明(後藤/小林) CDK12KO前立腺癌細胞株のshATR株を作成し、CDK12KO前立腺癌細胞株と比較して、細胞増殖に与える影響をgrowth assayで、また細胞周期に与える影響をFACSにより評価する。DNA損傷を惹起する薬剤(CPT-11,VP-16)をCDK12KO前立腺癌細胞株及びshATR株に投与し、ATMやATR、その下流のChk1やChk2の蛋白発現をWBで評価する。さらにγH2AXやRAD51抗体による蛍光免疫染色を実施し、shATRに伴うDNAの二本鎖損傷の増加や、HDRによるDNA修復の低下が見られるか確認する。続いてCDK12KO前立腺癌細胞株にPARP阻害薬とATR阻害薬を併用投与、一方でshATR株にPARP阻害薬を単剤投与し、growth assay及びIC50の測定を実施、ATR阻害薬の有効性を評価する。 ②オルガノイドを用いた作用機序の解明 CDK12変異PDX由来オルガノイド(コントロール株)を用いてshATRオルガノイド株(shATR株)を作成し、PARP阻害薬とATR阻害薬をコントロール株に併用投与し、他方でPARP阻害薬をshATR株に単剤投与を行う。細胞株と同様にATR阻害薬の有効性を評価する。コントロール株及びshATR株をマウスに再移植(オルガノイド移植ゼノグラフト)し、PDX投薬実験の再現性が得られるか確認する。shATR株群では、PARP阻害薬単剤の投薬実験により、ATR阻害薬による腫瘍縮小がoff target効果でないか検証する。
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