研究課題/領域番号 |
22K09461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
金 伯士 東海大学, 医学部, 講師 (70609338)
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研究分担者 |
小見山 智義 東海大学, 医学部, 准教授 (60439685)
宮嶋 哲 東海大学, 医学部, 教授 (90245572)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 腎癌 / ミトコンドリアゲノム / 腫瘍ゲノム変異量 / 腎がん / ミトコンドリア / ゲノム変異量 / ND1サブユニット |
研究開始時の研究の概要 |
現在、核ゲノム変異量(Tumor Mutation Burden: TMB)が進行性腎がん治療の個々人への最適化のための治療選択マーカーとして使用されているが、全エクソン解析が必要なためコスト・時間などの問題がある。本研究では、腎がんにおけるmtDNA全長の体細胞変異を同定して、mtDNA変異量すなわちmitochondrial TMB(mtTMB)を算出する。塩基サイズの小さいmtDNAがTMBとして代替可能であれば、安価で迅速な治療選択マーカーとして期待できる。また、新規治療標的として、ミトコンドリアND1サブユニットを標的とした進行性腎がんの治療薬開発の可能性を探索する。
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研究実績の概要 |
腎がん手術検体のmitochondrial TMB(mtTMB)を算出し、臨床的予後および薬物治療効果との関連を検証するために、手術によって摘出された腎がん組織と付随する正常腎組織からのDNAおよびRNA抽出作業を行った。令和4年度には168症例の抽出が完了した。抽出したDNAを用いてミトコンドリアゲノム(mtDNA)解析を進め、がん組織のmtDNA全配列と対応する正常腎組織から抽出したmtDNAの全配列とを比較し、体細胞変異の決定を順次行っており、現在進行中である。これまでに最大で31か所に、最小で0か所(体細胞変異なし)に体細胞変異を認める症例が明らかとなった。Dloop regionの最大変異数は12か所で、exonic regionでの最大変異数は20か所であった。Dloop regionでより多くの変異が認められると予想されたが、exonic regionの様々な遺伝子に散在して体細胞変異を認める症例が少なからずあった。exonic regionで最大の体細胞変異を擁する部位は、ND5であった。 2018 年度基盤研究(C)の成果から、ND1 発現量の多いACHN と分子標的薬投与でRNA 及 びタンパクレベルでのND1 発現低下を認めた786-O を対象としてND1 発現抑制株を作成を試みるもsiRNAによるダウンレギュレーションに難渋している。 現在はゲノム解析及び臨床データ解析に注力している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
手術によって摘出された腎がん組織と付随する正常腎組織からのDNA抽出作業は168例まで完了している。順次mtDNA全配列の決定と比較配列解析による体細胞変異の決定を行ている。 一方で、腎がんND1 発現抑制株を用いた実験は、siRNAによるND1ダウンレギュレーションに難渋しており遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
次世代シークエンサーによるmtDNA配列の決定と比較配列解析による腎がん組織の体細胞変異の決定が順次行われている。令和5年度は、mtTMBと臨床的予後および薬物治療効果の判定の準備として、50bp当たりの体細胞変異数をmtTMBと規定することの妥当性の検証として、ROC解析でmtTMBのoptimal cut-pointを決定する。その結果から、high mtTMB群とlow mtTMB群への群分けを行い、ログランク検定を用いてmtTMBの群分けによる客観的奏効率と非進行生存率の差の検定を行う。 腎がん細胞株を用いたND1のダウンレギュレーションは、shRNAレンチウイルスベクターシステムの導入によるノックアウトを検討する。
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