研究課題/領域番号 |
22K09478
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
中川 昌之 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90164144)
|
研究分担者 |
榎田 英樹 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80347103)
吉野 裕史 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (90642611)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 尿路上皮癌 / 薬剤耐性 / マイクロRNA / 抗体複合薬 |
研究開始時の研究の概要 |
局所進行性または転移性の尿路上皮癌(mUC)に対して最近、新しい抗体薬物複合体である Enfortumab Vedotin が三次治療として承認され脚光を浴びている。近い将来、EV 耐性はクリティカルな臨床的課題となりうる。本研究では EV 耐性 UC 細胞株における mRNA シーケンスやマイクロ RNA の発現プロファイルの解析に加えて、メタボロミクス解析や CRISPR ライブラリーを EV 耐性細胞に導入して解析する。これら多くのデータベースから多面的アプローチを行い、EV 耐性機序研究の位置づけを行う。さらにその経路を遮断する既存薬によるドラッグリポジショニングの可能性を探る。
|
研究実績の概要 |
本研究では EV 耐性尿路上皮癌(UC) 細胞株における mRNA シーケンスやマイクロ RNA の発現プロファイルに基づく解析に加えて、メタボロミクス解析や新しいゲノム編集技術である CRISPR ライブラリーを EV 耐性 UC 細胞に導入して解析し、これら多くのデータベースから多面的アプローチを行い、EV 耐性機序研究の位置づけを行う。さらに核心的な EV 耐性機序を明らかにし、その経路を遮断する既存薬によるドラッグリポジショニングの可能性を探る。 2022年度はEV耐性UC 細胞株の樹立を計画した。EV本体は入手が不可能であり、その抗癌剤成分であるmonomethyl auristatin E (MMAE)を培養細胞(T24、J82、UMUC)に添加して徐々にその濃度を上昇させている。MMAE自体は細胞毒性が強いため、漸く1年経って耐性株を樹立できた。まもなくEV 耐性UC細胞株の mRNAシーケンス・メタボロミクス・マイクロ RNA シーケンス解析による EV 耐性関連遺伝子およびタンパクの同定による活性化シグナル経路の検討を行う予定である。これに先立ち薬剤耐性に関する予備的研究を行った。癌抑制的microRNA-99a-5pはクロマチンリモデリング複合体であるSMARCD1癌遺伝子を直接制御していることを発見した。SMARCD1癌遺伝子は細胞老化を抑制するが、Gemcitabine耐性UC細胞株ではmicroRNA-99a-5pの発現が低下しており、細胞老化が強く抑制されていることを証明した。microRNA-99a-5pやSMARCD1はUCの新たな治療標的として有望と思われた。このようなマイクロ RNA シーケンス解析による癌抑制的マイクロRNAを関したUCの増殖・進展機序の解明をEV耐性UC株においても進める予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MMAE耐性膀胱癌細胞株の樹立がほぼ終了して、今後解析の予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
EV 耐性尿路上皮癌(UC) 細胞株における mRNA シーケンスやマイクロ RNA の発現プロファイルに基づく解析に加えて、メタボロミクス解析や新しいゲノム編集技術である CRISPR ライブラリーを EV 耐性 UC 細胞に導入して解析し、これら多くのデータベースから多面的アプローチを行い、EV 耐性機序研究の位置づけを行う。
|